2014年7月18日金曜日

「ワンマン社長」の作られ方、阻止する術 〜気になった記事〜

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0803D_Y4A700C1000000/?dg=1

社長というのは、ちょっと油断してしまうと「ワンマン社長」に仕立て上げられてしまいがちです。ワンマン社長を作り上げるのは、その下に連なる「イエスマン」の連鎖。不思議と、イエスマンは連鎖していくものです。これは、とても危険です。

 社長直下の幹部がイエスマンになると、「そういう人が出世するんだ」「それが会社としては是とされているんだ」と、その下の社員も思うようになってしまいます。そして、まねをし始める。あるいは幹部が社長の前で萎縮していると、その部下はもっと萎縮する。誰かが社長を“偉い人扱い”すると、自分も倣って偉い人扱いしないといけない空気感が生まれます。その空気に支配されると、もう連鎖は止められません。その連鎖が、ワンマン社長を作る“真犯人”だと思っています。

 社長の考えや思いに社員がシンクロするというのは、組織力としては大事なことです。しかし、シンクロが行き過ぎると思考停止してしまいます。言われた通りに行動するうち、なぜ自分がそれをやらなければいけないのかを考えなくなっていく。イエスマンでいることが楽になるのです。結果、組織のスピードを遅らせ、そして、上の権力をさらに強めるという悪循環を招きます。

 私自身、小さい会社から大きくなる中で、その連鎖や悪循環をすごく実感しているところです。私は、ワンマン社長になりたくはありません。ですが、勝手に周囲がそう私を仕立て上げていく過程を見ているようで、どこかでイエスマンの連鎖を断ち切らないといけないと痛感しているところです。

 サイバーエージェントは若い企業ですし、フラットな組織であることをすごく大事にしてきたのですが、それでも、放っておくと、イエスマンが出現する。例えば、部下に「あ、これやっていいんですか?」と言われた時は、心の中で「勝手に決めて勝手にやってくれよ」と思い、思わずイラっとしてしまいます。自分の頭で考えて、正しいと思ったことを自律的にやってくれないと、組織のスピードが鈍くなっていくからです。

 例えば、先日の役員会議で「定例待ちをするな」と言いました。1週間待って、定例の役員会議で私の承諾を得てから物事を進めようとする人が結構、増えてきたのです。自分で決めて進めれば1秒で済む話が、1週間も止まってしまう。これは危険だな、と思いました。

 自分で決めた場合、間違った方向に進むこともあるでしょう。それはさすがに社長の私に確認してほしい、という事項もあります。見極めは重要ですが、しかし、たとえ結果として間違っていたとしても、進めてしまってから巻き戻す方が、まだ良いと考えています。特に流れの速いインターネット業界では、どんどん決めて進めてもらい、手数を増やさないとわずかな遅れが命取りになります。

 では、どうすればイエスマンの出現を食い止められるか。どうすれば定例待ちを根絶できるか。これは難しい問題です。「やめろ」と厳しく言って、声を荒らげたりすれば、周りはさらに萎縮し、悪循環に陥ってしまいます。結局、「私はワンマン社長にはなりたくはない」「イエスマンになるのは本当にやめてくれ」と、はっきり言う、伝えていくしかないと思っています。

 少し話が違うかもしれませんが、かつて、役員会議で何でも私の言うことに、うんうん、とうなずく役員がいました。「うなずくのはやめてくれ」と本人に直接、お願いをしたら、それ以来、うなずくのを我慢してくれています。オブラートに包まず率直に言う。やはり、それが一番です

 こうして、ブログに率直な思いを書くことも効果的です。思った以上に多くの社員が読んでいて、そして、自分のことだとして捉えてくれるからです。この経営者ブログに書いてきた、いくつかの話もそうでした。そういった意味で、経営者の方にはブログをうまく活用することをおすすめします。

〜ここまで〜
・ イエスマンを作らせないよう努力する!
・ 率直に言う!

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