2015年6月25日木曜日

本日の気になった記事 〜賛否両論の「難題」を解決する方法〜

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO88364330S5A620C1000000/

〜ここから〜
 自分の中で答えがなかなか見つからない経営上の難しい問題について、2回連続で綴りました。「出戻りOKをどう伝えるべきか」「社員の副業を認めるべきか」と題したブログ記事です。多数の読者の皆さんからご意見・ご感想をいただき、深謝しております。

 いただいたコメントに一つひとつ目を通しながら、感じたことがあります。それは、難しい問題に直面し、どうすればいいのか明確な解がなかなか出てこない時、やはり、その迷っている事実や背景をそのまま伝えるのが一番だ、ということです。

 難しいテーマに直面した時は、無理に答えを出そうとはせず、自分が抱えている迷いや悩みも含めて率直に伝える――。私は、昔からこのやり方で乗り切ってきました。少々、古い話ですが、あるエピソードを紹介します。

 2011年、サイバーエージェントは、それまでの広告代理業を核とするビジネスモデルから、インターネットのサービス全般を核とするモデルへの大転換を行いました。広告代理業を支える550人の社員のうち、150人もの異動をともなうものです。会社の将来のために必ず成し遂げなければならない「変革」ですが、残る人、ネットサービスの部門に異動する人、双方に対して、ショックを与えたり、迷惑をかけたりしてしまう側面があったのも事実です。

 残る人は、少ない人数で同等の利益を求められ、異動する人も慣れた営業の仕事から不慣れなサービス開発を命じられる。それぞれが不安とプレッシャーを感じたことでしょう。異動する人を立てれば、残る人を傷つけることになり、逆もしかり。全社員に対し、どう伝えるべきなのか、私はかなり悩み、迷いました。

  挙句、私は全社員を前にした説明会の場で、「すべてを率直に、ありのまま話すことにしました。だから皆さんも、現実を直視してほしい」と言いました。耳が痛い話や、認めたくない事実なども含め、変革に至った背景や事業環境を語り、「残る人、異動する人、双方に迷惑をかけてしまうかもしれず、心苦しく思っている」とも話しました。

 結果、何が起きたか。それは、社員が自分の立場で良し悪しを考えるのではなく、私の目線、すなわち経営者の立場で本質を理解してくれ、受け入れてくれたのです。

 社内改革とは少し問題の性質が違いますが、「出戻りOKをどう伝えるべきか」「社員の副業を認めるべきか」というブログ記事を書いた結果、社員やOBから、社内改革の時と似たような反応がありました。自分の立場によってAかBか賛否両論が巻き起こる性質の問題ですが、経営者ブログという場をお借りして自分の「思考プロセス」を共有した結果、経営者目線になって共感してくれ、前向きに捉えてくれたのです。

 この思考プロセスの共有が、右とも左ともとれるような難題を解決する一番の近道だと思っています。今は、SNS(共有サイト)やブログのおかげで、以前よりもっとリアルに思考プロセスを伝えることができる時代です。リアルに伝えることで、私の思考に巻き込む。そうすると、自分の目線で「ポジショントーク」をしていた人も、自ずと経営者目線となり、文句を言っていた社員も「確かに難しい問題だよね」と理解してくれるようになるのです。

 「出戻りOKをどう伝えるべきか」というブログ記事のコメントで、はっとさせられる投稿がありました。前後は割愛しますが、「本ブログにて『出戻りOK、なれどそのメッセージの出し方に悩み中』と打ち明けられた(公言された)事によって、この難題を打ち破る為の本懐を遂げられたのではないかと拝察」というものです。迷ったり悩んだりしたら率直に。私はこれからも、この戦法を続けていきたいと思います。
〜ここまで〜

難しい問題に直面し、どうすればいいのか明確な解がなかなか出てこない時、やはり、その迷っている事実や背景をそのまま伝えるのが一番
→共感できます!私も経験があります。自信を持つ

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