2015年6月10日水曜日

副業は認めるべきか?〜本日の気になった記事〜

〜ここから〜
 社員の副業について考えるきっかけとなったのは、ある社員がSNS(共有サイト)上で「うちの会社、副業OKだったらいいのに」と書いていたことです。私は副業を禁止にした覚えはなかったので、どうなってるか調べてみたところ、規程には「会社の承認を得ないで他の職業に従事してはいけない」とだけ定めていました。一方で、社員に対して「副業OK」と告知したこともありませんでした。

 そこで、役員会で話し合い、2015年2月に社員に対し「事前申請で副業OK」の告知をすることにしたのです。基本は、副業をしても構わない、就業時間以外の社員の時間は社員のものであり、会社がどうこう言うべきではない、という考え方からです。

 ただし、やりたい放題にならないように、副業が「本業にプラスになる」「本業の邪魔をしない」ことであり、かつ、人事部門に申請すれば、副業を認める、というルールを定めました。しかし、つい先月、このルールも見直すことになります。ある社員が副業で行っていたネット上の企画でミスがあり、「炎上」してしまったのです。

 その社員に悪気はなかったのですが、怒れるユーザーの矛先はサイバーエージェントにも向きました。この炎上を引き起こした社員に対し、今後副業を禁止するのかどうか。合わせて、副業規程はこのままで良いのか。先月、再度、役員会で議論することになったというわけです。

 多くの会社が副業を社員規程で禁止している理由のひとつは、まさにこの件のように、会社のレピュテーション(評判)にかかわるリスクがあるからでしょう。

 ほかにも、副業にのめり込み、本業がおろそかになるリスクもあります。しかし、だからといって、一律で禁止してしまうのはやはりどうなのか、という議論になりました。例えば、親の借金を肩代わりしたなど、何らかの気の毒な事情で副収入を必要とする人がいるかもしれません。かといって、会社からの給与をそこまで増やすことはできないかもしれない。そうした境遇の社員が就業時間以外に別の仕事をすることについて、私はまったく悪いとは思いません。

 そして議論は、本業にプラスであるという条件は意味がないのではないか、という話に発展しました。とらえ方によって、副業はプラス・マイナス双方の面があります。しかし、往々にして、本業にもプラスにできるであろう優秀な社員ほど、本業に没頭し、副業に時間を使おうとは考えない傾向にあります。

 そもそも、事情があって副業をせざるを得ない社員のことをおもんぱかるのであれば、本業にプラスであることを求める必要はありません。などという議論の末、本業にプラスという条件をなくし、その代わりに「会社に迷惑をかけないこと」という条件だけを残すことにしました。そして、先の炎上を起こしてしまった社員の副業も、厳重注意の上、禁止しないことにしました。

 ただし、これが正解だとは思っていません。やむをえない理由で稼がないといけない人がいるかもしれない。でも、そうじゃない人もいる。副業が会社にプラスになることもあれば、マイナスになることもある。場合によって、捉え方によって、白にも黒にも、グレーにも成り得る。これは、答えがなかなか見つからない、難しい問題だと思っています。

〜ここまで〜
往々にして、本業にもプラスにできるであろう優秀な社員ほど、本業に没頭し、副業に時間を使おうとは考えない傾向
→そのとおりです。でも、認めるところがスゴイ!

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