2015年12月11日金曜日

よい上司の「無理難題」とは  〜本日の気になった記事〜

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO94828190W5A201C1000000/

〜ここから〜
 欧米系の外資企業について多くの人は「強い個」の集団というイメージを持っており、社内で手間暇かけて人材育成などせず、優秀な人をヘッドハンティングしてくると思っています。しかし実際には欧米企業も丁寧な人材育成を実施しており、経営を担う幹部の大半は内部昇格組です。今回は欧米企業の実情を紹介しながら、私の考える人材育成論についてお伝えしたいと思います。


 欧米企業の人材育成は基本的にいわゆる軍隊式で、部下は上司の命令を間違いなく達成することが求められます。失敗はいかなる理由でも言い訳は許されません。そのようにして自分を無にし、私心を廃したところから物事の本質にたどり着き、より価値ある「個」への成長が始まるということなのでしょう。

 そうして努力しているうちに、自分が会社の一端を確実に担っているという実感が湧きます。さらには自分が会社を支えているというプライドが生まれます。このようなプライドをもった人は、個人的な利益を上げることを優先したり、上司の評価ばかりを気にしたりしません。不合理で理不尽な環境でも、なんとかして突破口を切り開いていくことができるようになります。

 やり切ることができず、中途半端で終われば、それは何もしなかったことと同じと考えます。すべては徹底度、つまり「どこまでやれるか」で決まるということです。

 加えて彼らの考える「よい上司」の定義は、(1)部下に好かれようとしない(2)部下に無理難題を押し付ける(3)常に難題に挑戦し最後には成功し、きちんと結果を出す――というものです。

 なぜなら、上司が部下に無理を言うのは、部下を育てるためだからです。そして、その無理難題を何とかやり切った先には、必ず成功があり、努力が報われるように上司は仕事を設計しています。だからこそ、無理難題をふっかける上司を部下は尊敬するのです。

 だからあえて好かれようとしなくとも最終的には好かれる上司になるのだそうです。何となくキツネにつままれたような話ですが、皆さんの周りにもそのような理由で好かれる上司がいるはずです。

 よく、今までよりも、より大きな役割を担ってもらうことで、その人の成長を促そうとする際に「権限委譲」と言ったりしますが、正確には権限委譲ではなく「責任委譲」がなされたときに、人の成長が加速するのだと思います。

 ふつう権限を委譲しないで、責任だけ委譲する無責任な上司を非難しますが、本質的にはそのようなことを意図的に行っている上司の元にいる部下の方が育つと思いませんか。

 上司から与えられた答えではなく、同じ答えでも自分で苦労して見つけるプロセスのほうが本人にとってはるかに有意義であり、部下にいかにして考えさせるか、ということを意識して仕事を与えることが上司の重要な役割なのです。

 しかし、部下に考えさせて、しかも成果があがるやり方を自力で見つけるまで辛抱強く見守ることは、上司にとって非常につらいことです。それでも、その方が部下は大きく成長しますし、辛抱した分だけ上司も成長するのです。

 そもそも人材育成の本質は、組織や個人の価値観の伝承であり、ものの見方や考え方を「箸の上げ下ろし」のレベルで伝えることです。上司たるもの、このような場合にはこのような考え方で、このように判断し、このように行動するという一連を全て「背中を見せる」ことで部下に伝えることが大切です。

 日ごろからとことん部下の面倒をみて、プライベートな時間までも部下のために費やして、価値観や仕事に対する思いを必死で伝えようとする人こそが、私の考える「理想の上司」です。

 部下を一人でも預かった以上は、「理想の上司」を演じ、常に率先垂範を通じて部下を少しでも成長させようと尽力し続けなければなりません。

 なお、ここで「率先垂範」と述べましたが、本来模範とは「あるべき姿」であり、すぐには真似(まね)のできないような理想です。しかし、すぐに真似ができないとしても、そのようなあるべき姿を目の当たりにする機会がなければ、部下は自身が抱える課題に気が付かないものです。

〜ここまで〜

学ぶべきことが多い。

● 部下は上司の命令を間違いなく達成することが求められます。失敗はいかなる理由でも言い訳は許されません。そのようにして自分を無にし、私心を廃したところから物事の本質にたどり着き、より価値ある「個」への成長が始まるということ

● 「よい上司」の定義は、
(1)部下に好かれようとしない
(2)部下に無理難題を押し付ける
(3)常に難題に挑戦し最後には成功し、きちんと結果を出す

上司が部下に無理を言うのは、部下を育てるためだからです。そして、その無理難題を何とかやり切った先には、必ず成功があり、努力が報われるように上司は仕事を設計
より大きな役割を担ってもらうことで、その人の成長を促そうとする際に「権限委譲」と言ったりしますが、正確には権限委譲ではなく「責任委譲」がなされたときに、人の成長が加速する

ふつう権限を委譲しないで、責任だけ委譲する無責任な上司を非難しますが、本質的にはそのようなことを意図的に行っている上司の元にいる部下の方が育つと思いませんか。
 上司から与えられた答えではなく、同じ答えでも自分で苦労して見つけるプロセスのほうが本人にとってはるかに有意義であり、部下にいかにして考えさせるか、ということを意識して仕事を与えることが上司の重要な役割なのです。
 しかし、部下に考えさせて、しかも成果があがるやり方を自力で見つけるまで辛抱強く見守ることは、上司にとって非常につらいことです。

(2)は今まで全くできていない。やってみる!

0 件のコメント: