2015年7月8日水曜日

本日の気になった記事 〜読書とビジネスの見落としがちな関係〜

 

  「読書」は経営者のみならず、すべてのビジネスパーソンに有用だと思っています。何をそんな当たり前のことを、と思うかもしれません。ですが、読書には、さまざまな知識を得ることができるという効用以上に、「言葉」や「語彙」を学べる、という収穫があると考えています。

 文章に触れる機会自体は、ブログやSNSの普及でむしろ増えました。しかし、日常のカジュアルな文章があふれた結果、人の心を突き動かすような、本物の言葉に触れる機会は減ってしまっているのではないでしょうか。

 若手の社員と接していて思うのは、とにかく言葉の使い方やバリエーションが乏しい、ということです。いわゆる、ボキャブラリーが貧困で、浅く、間違っていることもあります。企画のプレゼンテーションなどでも、的確で短いフレーズに言い換えられるところを、妙に回りくどく、説明くさい文言を並び立てる場面が散見されます。

 言わずもがなですが、言葉選びはマネージャー層や経営者層になるに連れ、重要になってきます。寝ずに働くより、素晴らしい言葉を1つだけ編み出すことで、社員を団結させたり、意欲をかき立てることができる。逆に、言葉の選び方を間違えれば、言いたいことは伝わらず、みんなを間違った方向へ誘導してしまうこともあり得ます。

 世の中には、企業理念や社訓、ミッションステートメントといった類の言葉があふれかえっていますが、中にはほぼ何も言っていないに等しいようなものもあります。適切な言葉が出てこず、無難な言葉を選んでしまうのでしょう。

 適切な言葉を選べないと、人に伝えることができないどころか、自分自身の中での思考も浅いものになってしまいがちです。結果、さらに人に伝えることが難しくなるという悪循環に陥ってしまう。深い思考をするためにも、読書は大事なのです。と、偉そうなことを書きましたが、実はこれは、幻冬舎社長の見城徹さんの受け売りです。

  心を揺さぶるような言葉を次々と編み出す優秀な経営者の方も世の中にはたくさんいらっしゃいます。その一人が見城さんです。私は、見城さんと共著で「憂鬱でなければ、仕事じゃない」という書籍を出版させていただいたことがあるのですが、タイトルを考えてくれたのは見城さん。とにかく言葉を扱うのが上手い方で、毎回、感服させられます。

 そのはず、出版社の社長であり、本や文章に触れる量は、我々の比ではありません。そういう方は、例えブログやSNSであっても、思慮深い言葉が次々と飛び出します。サイバーエージェントが手がけるトークアプリ「755」で、見城さんのフォロワー数が名だたる著名人やアイドルに交ざり上位にあるのは、その言葉に力がある証左でしょう。

 余談ですが、見城さんやプロデューサーの秋元康さんがいる「LINE」のグループに、私も参加させていただいています。そこで飛び交っている言葉の言い回しや深さを見ていると、自分が書いている投稿が拙い気がして、気後れし、寡黙になってしまいます。

 同時に、先輩がたの格言や金言を眺めながら、「これはもっと多くの人に読んでもらうべきだ」「もったいない」と思い、トークアプリの755を思いつきました。最後に、755で見城さんがつぶやいていた言葉を紹介して、本稿を締めたいと思います。

 「適切な言葉を選べなければ、深い思考は出来ません。表現することはおろか、悩むことすら出来ません。人は言葉を獲得することによって人生を生き始めるのです。読書することは重要です」

0 件のコメント: