2015年5月27日水曜日

退職者の「出戻りOK」をどう伝えるべきか 〜本日の気になった記事〜

 今年2月、サイバーエージェントは「ウェルカムバックレター」という新施策を始めました。これは、退職者に対して「ぜひ戻ってきてください」という会社の意思を伝えるための制度。「向こう2年以内は、元の待遇以上で出戻りを歓迎します」という旨を書いた手紙を対象者に郵送します。いわば、待遇を2年間保証する「パス」のようなもの。既に技術者とデザイナー、2人に出しました。いずれも、会社に非常に大きな貢献をしてくれ、きれいな辞め方をしてくれた人です。

 なぜ、このような制度を始めたのか。それは、ある社員がSNS(共有サイト)上で「うちの会社も出戻りがOKになればいいのに」と書いていたことに端を発します。

 そもそも、私も会社も辞めた人間に対して「出戻りは許さない」と言ったことはありません。実際に、一度辞めてから戻ってきてくれた社員は今現在も社内に相当数います。にもかかわらず、「出戻りがOKになればいいのに」といった声が社内で上がるのは、会社として積極的に「出戻りOK」というメッセージを出していないからなのではないか。制度にしないと、出戻っても良いということが伝わらないのではないか。役員会でそういった議論になりました。

 一方で、辞めた人全員に戻ってきてほしいのかというと、そうではありません。当然ですが、出戻ってほしいかどうかは、人によります。役員会での議論の末、会社として非常に残念で、大きな痛手を被るような人材に的を絞ってウェルカムバックレターを出すことにしました。

 その判断は役員会でします。もともと、退職希望者の情報を役員会で共有しています。時折、「え!辞めちゃうの!?それは痛い」と思わず声が出ることもあります。そういう時に、ウェルカムバックレターを出すことに決め、対象者が辞めたらすぐに郵送することにしています。

 ですが、この制度は果たして正解だったのか。私は、今でも悩んでいます。

 というのも、対象の的を絞っても、絞らなくても、どちらにせよ、もくろみとは違う負の効果が生じてしまうのではないか、と思うからです。

 結局、制度を始めるにつき、ウェルカムバックレターを乱発せず、滅多に出さないようにしようという議論に落ち着きました。全員に出すわけにはいきませんし、乱発すると、レターが来なかった人に嫌な思いをさせてしまう、というのも絞った理由の1つです。せっかく気持ちよく送り出したのに、何か感じが悪い結果を招くのは良くありません。

 しかし、これは難しい議論です。今回、私たちがそうしたように的を絞ると、出戻りOKのメッセージが伝わりにくくなり、文化として定着しない可能性があります。さらに、もらっていない人に「自分は戻ってはいけないのだ」と思われてしまうかもしれません。出戻りOKの文化を作りたいという思惑とは逆の効果を生んでしまう可能性もあるのです。

 出戻りは基本、OK。会社としてはうれしい。でも、人によります。という当たり前の考え方なのですが、これをどう伝えて、文化として定着させるべきなのか。ウェルカムバックレターの制度は失敗だったかもしれない、とすら思い始めており、まだ私の中で結論は出ていません。

 というわけで、今回は悩みを打ち明ける形になってしまいましたが、何か良い方法があれば、ぜひ教えていただきたいと思っております。コメントをお待ちしております。

〜ここまで〜
出戻りは基本、OK。会社としてはうれしい。でも、人によります。という当たり前の考え方なのですが、これをどう伝えて、文化として定着させるべきなのか。
→ 共感します。私としては制度としての導入は反対です。レターを出したい人に出すというシンプルなもので良いと思います。

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