決めるマネジメント
1.
現状の問題点
・ 価値観の多様化への対応が必要
→マネージャーは価値観の異なる部下を理解し、力を引き出すことが求められる。
・ 環境が変化しているにも関わらず「マネージャー像」が明確ではない
→「人を活かせない」職場を生んでいる、「マネージャーの機能不全」
・ 「言って聞かせて・・・」ことも難しくなってきている。
→長時間ともに過ごしている関係でなければ「言って聞かせても伝わらない」
・ 「やらせてみる」ときに誰が責任を取るのか?が大事。上司が与えているのは「権限」か?「責任」か?任せた責任は上司がとる!(マネージャーの本来の仕事を任せたことへの責任をとる。
→はっきりとした方針で「やらせる」ことが大切。また、「褒める」にも「何を褒める」かが大事。褒める軸がブレないように!
・
変化が早くなってきたため、トップが各部署の方針を決め、現場が実行することが機能しなくなっている。つまり、「考え、決める」役割がトップから現場におりてきている。→現場の職務遂行管理能力と、方針を考え周知徹底する能力は別。言語化する能力ではない。「早く」「コンパクト」に伝えることが大切。
2. マネージャーに求められること
・「方針」を決め、「方針」に基づいて一人ひとりの役割を決め、指導や称賛を行う
→マネジメントで「コーチング(聞き出す)」のメリットを生かすには、「方針」があり、相手にその「方針」に沿って、「やりたいこと」を考えさせる
→嫌われたくない心理がマネージャーをダメにする
3. マネージャーの仕事
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ヒト・組織
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業務
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今
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労務管理
動機づけ
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工程管理
例外対応
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未来
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人材育成
組織開発
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方針の提示
改革や変革
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方針が決まらないと育成のしようがない。また、方針が示されると任された業務について人は自ら学ぶ。
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細かな業務にまで口を出し、自分が出だししたくなる気持ちを抑え、未来に向けた方針を打ち出し、方針に沿って変革する
4. マネージャーの役割
方針の立案に焦点をあてると
P:方針を決める
D:方針をもとにメンバーの役割を決め、日々の仕事を任せ育てる
C:方針をもとに評価し、フィードバックして考えや行動を修正する
A:方針を振り返り、修正や改善を加え更新する
これを行うためには、
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業務の集中→自律→拡散へ
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方針を共有し、様々な業務を分散してメンバーに委ねることはメンバーの効力感や自律性(最後まで自分が責任を持ってやり遂げる)を高める効果をもつ
良い方針とは・・・
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「質」(ないと実行のプロセスがバラバラ)の要素と「量」(ないとフィードバックが困難)の要素が組み込まれている
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「衆知を集める」→上司自身が「正解」が分からないと明言。全員で考えたという事実が方針を実行する際プラスに働く
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個別の事情に対処するよりも、「例外はあるが概ね通用する方向性を決める」
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やるべきことは並列ではなく、優先順位を決めておく。「やるべきことか?」「やったほうがいいことか?」を問い、「やったほうがいいこと」を並列してやっても焦点が定まらず時間を浪費する
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良い仕事、良くない仕事から見出していく。それぞれの共通点は何かを見つけ出す
5. 方針を実践する
・ 方針をMUST(やるべきこと)からWANT(やりたいこと)に転換する。そのためにはメンバーの立場にたって「それをやる個人にとってのメリットは何か」「やらなかったらどうなるか」を考えてみる
※
メリットとしての評価や報酬→長続きしない。仕事やその結果に生じる価値や成長(知識や技術)への期待を示すことが挙げられる。
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褒める
「何を褒めるかを方針に沿って変える」ことと、「何が良かったかを」「皆の前」で褒める。褒める目的は方針の浸透であり、実行を促進することである。
最後に、マネージャーとは「組織の方針を決めて推進し結果に対しての責任をもつ組織のまとめ役」である
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