平均への回帰を意識する!
歴史
回帰とは元来、生物データから見出された現象である。
子世代の種子重量は親世代と同じく正規分布に従い、また子世代種子の平均直径を親の平均直径に対してプロットすると直線に近い関係がある(現在でいう線形回帰が適用できる)。
しかし、子の平均直径は親の直径と比較すると、より全体の平均直径に近づく傾向がある(回帰)。
実際にはこの種子の大きさは遺伝による部分より偶然的変動が大きかったということである。
また、このような研究をヒトにも適用し、たとえば様々な分野の天才を調べ、彼らの子はほとんど常に親より平均に近くなることを見出した。さらに定量的で客観的な方法として、父親と息子の身長を比較し、やはり特別に高身長の父親でも、特別に低身長の父親でも、息子たちの身長は父親たちの身長より平均に近くなることを見出した。
普遍性
平均への回帰は普遍的な統計現象で生物や遺伝とは関係ない。また時間経過とも関係ない。特別高身長の人たちの「父親」の身長は、息子たちの身長より平均に近い。全体の身長の分布は、父親世代も息子世代も同じである。
数学的説明
X と Y をいずれも正規分布(平均0、分散1)に従うランダム変数とし、これらの相関係数をr とする。|r| <= 1である。正規分布の性質から、X の値が決まっている場合のY の期待値はX に比例する、すなわち E[Y|X]=rX 。ここで|r| < 1であるから、Y の期待値はX の観察値よりも0に近い。一般の確率分布についても同様の結果が得られる。
これは、2変数の相関が小さくなる(|r|が小さくなる)ほど、平均への回帰は顕著になる、ということを示している。つまり現在、相関を分析する方法として回帰分析、線形回帰などという言葉が用いられるが、元来の意味での「回帰」は、むしろ「相関が低い」ことを表しているのである。
回帰に関する誤解
回帰の誤謬(regression fallacies)とは、平均回帰に気づかずにデータの収集と解釈を行い、さも科学的根拠があるような誤った結論(改善効果があった、悪化が見られる、等)を出してしまうことをいう。
有名な例には統計学者Horace Secristの著書“The Triumph of Mediocrity in Business”(ビジネスにおける平凡さの勝利、1933年)がある。ここでは「競合するビジネスの利益率には時間平均に近づく傾向がある」という「経営学の法則」を示すために、膨大なデータを集めたが、実際のところ平均回帰の一例(あるいは盛者必衰の理?)を示したにすぎない。
よくありがちな誤謬には次のようなものがある。ある薬が成績を増すかどうかをテストしたい。まず生徒にテストをさせ、点数が最下位10%だった生徒たちに薬を与え、再度別のテストをさせる。すると平均成績が顕著に上がったという結果が得られる。しかしこれは薬の効果について何もいったことにならない。この例では薬なしの比較対照実験も可能だが、どちらの場合も同じことが起きるということがわかるだろう。
スポーツの世界では、よく2年目のジンクスという言葉を耳にする。例えば、野球で、新戦力として加入した新人選手が1年目に大活躍をした後、2年目になると1年目ほどの成績が挙げられないというものだ。これには、他チームがその選手のことを研究して対策を講じたため、とか、その選手が慢心して練習を疎かにしたためとか、いろいろな理由が考えられるのだが、統計学的に見れば、むしろ自然なことと言えるのかもしれない。新人1年目に大活躍するというのは滅多にないことで、2年目になれば2年目選手の平均的な成績に落ち着いていくのは当然のこと、と考えるのである。
このように「平均への回帰」を用いて、因果関係を説明しようとする際に、注意しておくべき点がいくつかある。
1つ目は、平均への回帰を過小評価してしまうケースだ。例えば、風邪にかかって体温を測ってみたところ高熱であったため、風邪薬を飲んだとしよう。その後、暫く経って体温が下がると、飲んだ風邪薬が効いたため、と考えがちだ。実は、体温を測ったのが風邪のピークの時で、風邪薬を飲まなかったとしても自然に体温は下がっていたかもしれない。しかし、そのようには、なかなか考えない。これは、「平均への回帰」を、過小に評価していると言える。
2つ目は、平均への回帰を過大評価してしまうケースだ。例えば、普通のコインを3回投げてみたら3回とも表が出たとする。このとき4回目は表が出るだろうか、裏が出るだろうか。そろそろ裏が出そうだ、という考えは平均への回帰に囚われている。普通のコインは常に半分ずつの確率で表と裏が出るはずであり、4回目も裏の出る確率は50%と見るべきだろう。そもそも、3回や4回といった少ない回数では、大数の法則は成り立たない。少ないサンプルに対して、集団の性質を強引にあてはめることは誤りであり、これは「少数の法則」と言われている。
3つ目は、発生した出来事に複雑な因果関係を想定して余分な説明をしてしまい、平均への回帰を無視してしまうケースだ。アメリカのある有名なスポーツ雑誌には、表紙を飾った選手がその後スランプに陥るというジンクスがあり、実際にそのような結果も計量的に示されている。これに、あれこれと理由をつけても、なかなか腑に落ちる説明には至らない。実はそもそも複雑な因果関係などなく、表紙を飾ったときがピークで、その後不調に陥っただけなのかもしれない。即ち、単に、平均への回帰が生じただけと考えれば、この現象を当然のこととして捉えることができる。
2016年11月10日木曜日
権力が最高品質のクリエーティブを生む 〜気になった記事〜
インターネットのサービスやスマートフォン向けアプリは飽和状態にあります。単なる機能や内容だけではなく、デザインなど「クリエーティブ」の品質がより問われ、ごまかしがきかない時代となりました。トップが仕切らなければ、最高品質のクリエーティブは生まれない。私がそのことに気づいたのは、ここ数年のことです。
■髪の毛1本にもこだわる
ゲーム子会社のサイゲームスは「グランブルーファンタジー」などスマートフォン向けゲームアプリで大ヒットを飛ばし続けています。そのトップ、渡邊耕一社長は元ゲームクリエーター。教科書に載っているような経営論を熟知しているタイプではありませんが、彼は、グラフィックから操作性まで、とにかく最高品質のクリエーティブにこだわり続けたのです。
それは、キャラクターの髪の毛1本の質感も妥協せず、満足がいかなければ配信を延期するほど。端から見ていて、「それでは会社がつぶれるぞ」と心配になるくらいでした。しかし、出すゲーム、出すゲームが次々とヒット。彼のクリエーティブにかける情熱やゲーム品質の高さが高収益につながっていったのです。
考えてみれば、米アップルの創業者で前CEO(最高経営責任者)のスティーブ・ジョブズ氏も、製品のデザインやアプリケーションのグラフィックといったクリエーティブに対して、並々ならぬ情熱を注いだ経営者でした。自らクリエーティブを仕切り、妥協を許さず、満足いくまで何度も作り直しを命じた逸話が伝えられています。
資金と人員を動かすことができる「権力」をもった人間こそ、クリエーティブのディレクションに責任を持ち、最高品質にこだわることができる――。私は、規模は違えどサイゲームスとアップルという2つの会社から、そのことに気づかされました。
クリエーティブの品質を最高レベルまで高めるのは容易ではありません。開発予算や納期、人員など、プロジェクトには必ず制約があります。加えて、関連する様々な部署ごとにいろんな事情を抱えており、結局はそれらすべてのバランスをとった妥協の産物が生まれてしまいがちです。
そうした制約や事情は、やはりトップの権限なくして乗り越えることはできません。時には会社全体から資金や人員を寄せ集め、一時的な収益悪化も覚悟でクリエーティブの品質向上を優先させる。真の意味でクリエーティブをコントロールできるのは、権力を持ったトップだけなのです。
■現場から嫌われても
私はサイバーエージェントを創業して以来、会社の制度を整えたり、強い営業部隊を築いたりと、経営者らしく振る舞うことに必死でした。確かに、そうした努力は会社全体の強みにつながったのですが、トップがクリエーティブを仕切る重要さに気づいて以降、自分の経営スタイルをがらりと変えました。
クリエーティブに微に入り細に入り口を出し、現場から嫌われようが妥協は一切、許さないようにしました。昨年5月に開始したスマートフォン向け定額制音楽配信サービスの「AWA」しかり、今年4月に本開局したインターネットTVの「AbemaTV」しかりです。
私自身にサイゲームス社長やジョブズ氏のようなクリエーティブの才覚があるのか。そう疑問に思われている読者の方もいらっしゃるでしょう。しかし、私は持って生まれたセンスや美意識が最も重要な訳ではないと思っています。重要なのは、現場から出てきたクリエーティブが既存の最高品質のものに比べて優れているかどうか、ユーザーにどう受け止められるか。そのくらいの目利きはできます。そして、さらに重要なことは、突き返す勇気なのだとも思っています。
〜ここまで〜
品質にこだわりを持つ!
■髪の毛1本にもこだわる
ゲーム子会社のサイゲームスは「グランブルーファンタジー」などスマートフォン向けゲームアプリで大ヒットを飛ばし続けています。そのトップ、渡邊耕一社長は元ゲームクリエーター。教科書に載っているような経営論を熟知しているタイプではありませんが、彼は、グラフィックから操作性まで、とにかく最高品質のクリエーティブにこだわり続けたのです。
それは、キャラクターの髪の毛1本の質感も妥協せず、満足がいかなければ配信を延期するほど。端から見ていて、「それでは会社がつぶれるぞ」と心配になるくらいでした。しかし、出すゲーム、出すゲームが次々とヒット。彼のクリエーティブにかける情熱やゲーム品質の高さが高収益につながっていったのです。
考えてみれば、米アップルの創業者で前CEO(最高経営責任者)のスティーブ・ジョブズ氏も、製品のデザインやアプリケーションのグラフィックといったクリエーティブに対して、並々ならぬ情熱を注いだ経営者でした。自らクリエーティブを仕切り、妥協を許さず、満足いくまで何度も作り直しを命じた逸話が伝えられています。
資金と人員を動かすことができる「権力」をもった人間こそ、クリエーティブのディレクションに責任を持ち、最高品質にこだわることができる――。私は、規模は違えどサイゲームスとアップルという2つの会社から、そのことに気づかされました。
クリエーティブの品質を最高レベルまで高めるのは容易ではありません。開発予算や納期、人員など、プロジェクトには必ず制約があります。加えて、関連する様々な部署ごとにいろんな事情を抱えており、結局はそれらすべてのバランスをとった妥協の産物が生まれてしまいがちです。
そうした制約や事情は、やはりトップの権限なくして乗り越えることはできません。時には会社全体から資金や人員を寄せ集め、一時的な収益悪化も覚悟でクリエーティブの品質向上を優先させる。真の意味でクリエーティブをコントロールできるのは、権力を持ったトップだけなのです。
■現場から嫌われても
私はサイバーエージェントを創業して以来、会社の制度を整えたり、強い営業部隊を築いたりと、経営者らしく振る舞うことに必死でした。確かに、そうした努力は会社全体の強みにつながったのですが、トップがクリエーティブを仕切る重要さに気づいて以降、自分の経営スタイルをがらりと変えました。
クリエーティブに微に入り細に入り口を出し、現場から嫌われようが妥協は一切、許さないようにしました。昨年5月に開始したスマートフォン向け定額制音楽配信サービスの「AWA」しかり、今年4月に本開局したインターネットTVの「AbemaTV」しかりです。
私自身にサイゲームス社長やジョブズ氏のようなクリエーティブの才覚があるのか。そう疑問に思われている読者の方もいらっしゃるでしょう。しかし、私は持って生まれたセンスや美意識が最も重要な訳ではないと思っています。重要なのは、現場から出てきたクリエーティブが既存の最高品質のものに比べて優れているかどうか、ユーザーにどう受け止められるか。そのくらいの目利きはできます。そして、さらに重要なことは、突き返す勇気なのだとも思っています。
〜ここまで〜
品質にこだわりを持つ!
2016年10月19日水曜日
働き方 〜気になった記事〜
■13年前から「総活躍」
正社員もパートもなく全員がフル活躍しなければ、銀行としての形を保てない危機。13年前、りそなは「総活躍」をいかに実現するかを迫られたわけだ。答えは「頑張りに報いるフェアな制度を確立してパートを主戦力に変える」(人材サービス部の九鬼至留グループリーダー)こと以外なかった。
当時の細谷英二会長(故人)の号令の下でパートの処遇を大幅に引き上げ、2008年には同一労働同一賃金の考え方を取り入れた人事制度を実現した。難易度や職責に応じて職務グレードを14に分け、正社員からパートまで全員をその中に位置付けた。同グレードであれば時給ベースの給料は同じ。パートから正社員への登用制度も設けた。
りそなの制度は、職能給と職務給を組み合わせた日本型の同一労働同一賃金と言える。担当者とスタッフ職は知識やスキルのレベルでグレードを決定するため、年齢を重ねれば一定レベルまでは上がりやすい面がある。一方、管理職以上になればポストの職務の難易度や職責によってグレードが決まる。
りそなは16年4月、「スマート社員」という新たな正社員制度の運用を開始した。勤務時間もしくは業務範囲のどちらか一方を限定するもので、育児中や介護中の社員は誰でもスマート社員に転換できる。同一労働同一賃金の考え方を入れていたので、スムーズに新たな働き方を導入できた。
これまで社員からパートになる場合は、一度退職してから再雇用する形になっていたが、今後は正社員という身分のまま働き方を限定できる。
パートから正社員に応募する際のハードルも低くなった。いきなり勤務時間、業務範囲ともに無限定となることにちゅうちょする人もいたからだ。
9月末時点でスマート社員は190人。社員からの転換がおよそ3分の1、残りはパートからの登用という。
15年6月、りそなは公的資金を全て返済。無事に再生を果たした。
厚生労働省が企業に対して調査したところ、非正規社員を使う理由のトップは「賃金の節約」だった。だが、人を「コスト」として扱う近視眼的な発想から抜け出しフェアに扱えば、個人の生産性は大きく高まる。それは、企業自体の生産性や競争力が高まることと同義なのだ。イケア、コストコ、りそなの事例はそれを示している。
■「資生堂ショック」の果実
最適な労働時間のあり方とは何か。働き方改革を進める企業が増えるにつれて、大きなうねりが生まれ始めた。
中部地区のある中小企業は2014年にノー残業デーを取り入れた。きっかけは、ある男性社員が社長に直訴したことだった。「妻の働き方が変わるので、息子の送り迎えをしたいんです」。
妻は資生堂の美容部員。育児中の短時間勤務制度を利用していたため、遅番や土日勤務を事実上免除されていた。だが、同制度を巡っては繁忙な時間帯の勤務が若手やベテランに集中していたため、現場がぎくしゃくする弊害が生まれていた。
資生堂は運用を見直し、月に1度は遅番や土日に勤務してもらうようにした。いわゆる「資生堂ショック」である。
育児時間制度を利用していた美容部員1200人のうち、退職したのは約30人のみ。一方、育児中でもチーフに昇格する社員も出てきた。
働き方改革には痛みが伴う局面もある。しかし、ほかの企業も同じ悩みを抱えており連係プレーは可能だ。まず道を開くことで、解決法が見えてくる。
気づいた点
・ スマート社員という考え方
・ 育児中もある程度負荷をかける(当番は月1回程度)
2016年10月13日木曜日
本日の気になる記事 〜社外取締役が10年間不在だった理由〜
〜ここから〜
■形ばかりの社外取締役など
サイバーエージェントには、2000年の東証マザーズ上場時から2006年まで社外取締役がいましたが、そこからは不在が続いています。それは、当社に最適だと心の底から思える社外取締役が見つからなかったからです。
社内の取締役だけでは見えなかったことや、気づかなかったことに助言をもらえることが社外取締役の一つのメリットといわれますが、その企業の理念や文化などの目に見えない価値観を理解せず、表層的な指摘だけをもらっても意味がありません。日常は会社にいない社外取締役に対し、理念や文化など会社の背景から、毎回説明し、納得してもらう努力が必要なのであれば、意思決定のスピードを大きく損なうと思います。それは我々のような変化の激しい業界では大問題です。
また社外取締役の役割として、業界や会社の「外」にいる人の意見が欲しいだけなのであれば、知人や友人の経営者との付き合いの中でいくらでもアドバイスをもらえますし、お金を払ってコンサルティング会社に頼むこともできます。
社外取締役の設置は経営の監視や不正の防止に有効ともいわれますが、昨今の粉飾決算、不正会計の事件を見ると首を傾けざるを得ません。後ろめたいことをしている会社が形だけの社外取締役を置き、ガバナンスを強化しているように見せかけることは、やろうと思えば可能です。
形ばかりの社外取締役で投資家を安心させる――。我が子のように大切に会社を育てているのに、そんな適当なことはしたくないと思い、サイバーエージェントではしばらく社外取締役の設置を見送っていました。一方で上場企業として優等生でありたい、との思いもあります。
では適切な社外取締役とは何か。熟慮の末、今年7月、白羽の矢を立ててから約1年待って、ようやく1人の社外取締役候補に顧問として就任していただきました。元リクルートホールディングス相談役の中村恒一氏です。今年12月開催予定の定時株主総会でお諮りする予定です。。人をやる気にさせ、人を生かすことによって会社を伸ばそうという大前提に立って経営しているからです。
中村氏に白羽の矢を立てた理由の一つは、当社に社風や価値観が非常に近いリクルートで、長年にわたって経営に携わってこられた方だからです。社風が近いのは必然といえます。というのも、私がリクルート出身者の下で学び、経営の手本としてきたからです。
当社には、資本主義ならぬ「人本主義」のような文化があります。事業を立ち上げる理由のほとんどは、その人がやりたいと言ったから、あるいは、その人がいるから。異動も、原則、本人の希望に基づくもので、ある日突然、「人事異動」と上から命令を押し付けるようなことはしません。人をやる気にさせ、人を生かすことによって会社を伸ばそうという大前提に立って経営しているからです。
世間一般的にいえば、そういう会社はむしろ少数派なのかもしれません。しかしながら、我々はそれを強みにして会社を伸ばそうとしているのに、本当の意味でその価値観を共有してもらえる人でなければ、当社の社外取締役は務まらないと思っていました。
■「2人必要」「義務化」に?
社外取締役をお願いするのであれば、ぜひリクルートのOBに。そう思い、企業文化の重要さを理解し、また副社長として柏木斉社長(当時)を支え経営の根幹にいた中村氏に昨年、就任を直接、お願いしました。当時、中村氏はリクルートの顧問であり、お返事をいただけなかったのですが、私は「顧問契約が終わるまで待ちます」と言い、今年春にようやく「やりましょう」と言っていただけたのです。
中村氏の就任が形だけのものとならないよう、社外取締役就任前である今から、月に1回は最も重要な経営会議である常勤の取締役会にも参加いただいています。また社内を知っていただくために、役員や社員との食事会などもお願いしています。
「社外取締役は2人必要」と言われるようになり、「法律で社外取締役の義務化を」との声も根強くあります。しかし、だからといって安易に選任するのは納得できません。会社は千差万別であり、全ての上場企業に一律の規定を適用することは現時点でも無理があると私は思います。自社に適した社外取締役のあり方は、それぞれの会社が考え抜くべきではないでしょうか。
〜ここまで〜
気づいた点
新規事業は、その人がやりたいと言ったから、あるいは、その人がいるから。異動も、原則、本人の希望に基づく 企業のガバナンスを強化するという目的で、社外取締役の数がかつてないほど増えています。2015年、上場企業に対して社外取締役の設置を推奨する企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)の適用が始まったこともあり、上場企業の社外取締役は7000人を超えたようです。ガバナンスを強化するのは大事なことだと思いますが、一方で、本当に必要で、実際に機能する社外取締役を見つけるのは非常に難しいと実感しています。
■形ばかりの社外取締役など
サイバーエージェントには、2000年の東証マザーズ上場時から2006年まで社外取締役がいましたが、そこからは不在が続いています。それは、当社に最適だと心の底から思える社外取締役が見つからなかったからです。
社内の取締役だけでは見えなかったことや、気づかなかったことに助言をもらえることが社外取締役の一つのメリットといわれますが、その企業の理念や文化などの目に見えない価値観を理解せず、表層的な指摘だけをもらっても意味がありません。日常は会社にいない社外取締役に対し、理念や文化など会社の背景から、毎回説明し、納得してもらう努力が必要なのであれば、意思決定のスピードを大きく損なうと思います。それは我々のような変化の激しい業界では大問題です。
また社外取締役の役割として、業界や会社の「外」にいる人の意見が欲しいだけなのであれば、知人や友人の経営者との付き合いの中でいくらでもアドバイスをもらえますし、お金を払ってコンサルティング会社に頼むこともできます。
社外取締役の設置は経営の監視や不正の防止に有効ともいわれますが、昨今の粉飾決算、不正会計の事件を見ると首を傾けざるを得ません。後ろめたいことをしている会社が形だけの社外取締役を置き、ガバナンスを強化しているように見せかけることは、やろうと思えば可能です。
形ばかりの社外取締役で投資家を安心させる――。我が子のように大切に会社を育てているのに、そんな適当なことはしたくないと思い、サイバーエージェントではしばらく社外取締役の設置を見送っていました。一方で上場企業として優等生でありたい、との思いもあります。
では適切な社外取締役とは何か。熟慮の末、今年7月、白羽の矢を立ててから約1年待って、ようやく1人の社外取締役候補に顧問として就任していただきました。元リクルートホールディングス相談役の中村恒一氏です。今年12月開催予定の定時株主総会でお諮りする予定です。。人をやる気にさせ、人を生かすことによって会社を伸ばそうという大前提に立って経営しているからです。
中村氏に白羽の矢を立てた理由の一つは、当社に社風や価値観が非常に近いリクルートで、長年にわたって経営に携わってこられた方だからです。社風が近いのは必然といえます。というのも、私がリクルート出身者の下で学び、経営の手本としてきたからです。
当社には、資本主義ならぬ「人本主義」のような文化があります。事業を立ち上げる理由のほとんどは、その人がやりたいと言ったから、あるいは、その人がいるから。異動も、原則、本人の希望に基づくもので、ある日突然、「人事異動」と上から命令を押し付けるようなことはしません。人をやる気にさせ、人を生かすことによって会社を伸ばそうという大前提に立って経営しているからです。
世間一般的にいえば、そういう会社はむしろ少数派なのかもしれません。しかしながら、我々はそれを強みにして会社を伸ばそうとしているのに、本当の意味でその価値観を共有してもらえる人でなければ、当社の社外取締役は務まらないと思っていました。
■「2人必要」「義務化」に?
社外取締役をお願いするのであれば、ぜひリクルートのOBに。そう思い、企業文化の重要さを理解し、また副社長として柏木斉社長(当時)を支え経営の根幹にいた中村氏に昨年、就任を直接、お願いしました。当時、中村氏はリクルートの顧問であり、お返事をいただけなかったのですが、私は「顧問契約が終わるまで待ちます」と言い、今年春にようやく「やりましょう」と言っていただけたのです。
中村氏の就任が形だけのものとならないよう、社外取締役就任前である今から、月に1回は最も重要な経営会議である常勤の取締役会にも参加いただいています。また社内を知っていただくために、役員や社員との食事会などもお願いしています。
「社外取締役は2人必要」と言われるようになり、「法律で社外取締役の義務化を」との声も根強くあります。しかし、だからといって安易に選任するのは納得できません。会社は千差万別であり、全ての上場企業に一律の規定を適用することは現時点でも無理があると私は思います。自社に適した社外取締役のあり方は、それぞれの会社が考え抜くべきではないでしょうか。
〜ここまで〜
気づいた点
新規事業は、その人がやりたいと言ったから、あるいは、その人がいるから。異動も、原則、本人の希望に基づく 企業のガバナンスを強化するという目的で、社外取締役の数がかつてないほど増えています。2015年、上場企業に対して社外取締役の設置を推奨する企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)の適用が始まったこともあり、上場企業の社外取締役は7000人を超えたようです。ガバナンスを強化するのは大事なことだと思いますが、一方で、本当に必要で、実際に機能する社外取締役を見つけるのは非常に難しいと実感しています。
2016年9月27日火曜日
気になった記事 〜「働きがいを感じない」 残業ゼロ企業の盲点〜
〜ここから〜
――ランクアップを残業のない会社にしようと思ったきっかけは?
岩崎 以前働いていた広告代理店は、長時間残業が当たり前の「ブラック企業」でした。私も毎日終電まで働き、取締役になりましたが、女性社員の多くは出産すると働き続けることができず退職していきました。
そこでランクアップの起業後は「残業しなくていい会社にしよう」と思い、定時が午後6時で、1時間程度残業するペースで働けるようにしました。長時間労働時代の私に言わせれば、午後7時なんてまだ昼間、これから仕事する時間、という感覚です。
ところが2009年に自分が出産して、それでは不十分だったことに気付きました。午後7時に退社して保育園に子供を迎えに行くのはとても慌ただしく、大変だったのです。そこで定時を5時半にして残業なしで働ける環境にしようと。それがさらに切り上がって、2011年からはほとんどの社員が5時に帰るようになりました。
――育児中の社員には、時短勤務を適用する会社が多いなか、あえて全員が5時に帰ることにこだわったのはなぜですか。
岩崎 時短勤務社員とその他の社員の退社時間の差が不幸を生むからです。
■時短勤務に引け目、居場所がなくなる
7時までいる社員と5時までの社員では仕事量に差が生じてきます。残っている社員は「子供がいる人ばかり早く帰ってずるい」と思うし、ママ社員からすると、遅くまで働く社員がいるから早く帰りにくい。それが続くとお互いに不幸になる。ママ社員は時短であることに引け目を感じて、責任のない仕事を選んだり、結局居場所がなくなって辞めてしまったりする。
皆が早く帰る職場になったら、時短を取る人も後ろめたさがなくなるでしょう。だから「全員5時ピタ」にこだわりました。
5時に帰るようになると、子供のいない社員もスポーツクラブに行ったり、研修に参加したり、映画を見たりと、インプットする時間が増えました。研修などの費用は、全額会社が負担し、本の購入や美術館などに行く費用も助成しています。結果的に多くの収穫がありました。
――新商品のアイデアが生まれるとか?
岩崎 朝専用の洗顔剤や、手を汚さないスティックタイプのファンデーションなどが社員の発案で生まれました。創業以来の基幹商品で累積販売本数が600万本を超える「ホットクレンジングゲル」に加えて、収益の柱になりつつあります。
商品だけではありません。私たちの会社のミッションは、「女性が幸せに生きる社会を作る」ということなのです。今は女性を若々しく元気にするために化粧品を作っていますが、今後はベビーシッターとか家事代行とか、女性が一生輝いて働くための問題解決の事業を始めたいのです。
新卒社員の採用を始めて3年になりますが、この人たちには将来の新規事業の部長を目指してもらいたい。20代のうちに事業を考えることを課しています。そのために多くのインプットを得て、発想力や実行力を身に付けてほしいと思っています。
――売り上げが伸びているのに、勤務時間は短い。社員は幸せですね。
岩崎 今はそう感じている人が多いと思います。でも2013年ごろまではそうではなかったのです。
残業をやめようとした当初は「早く帰れと言われても仕事が終わらない」と反発されました。そこで仕事を全て棚卸しして、IT化やアウトソーシングによる業務の効率化を徹底的に進めました。
例えば経営戦略室では、経営データを管理して毎週報告するのですが、残業がすごく多かったのです。そこで担当者は、自分が分析しなくてはいけない仕事の数字を全て洗い出しました。顧客分析やリピート率の算出の手法を整理して、基幹システムなどから取り込んだデータを自動的に加工する簡単なシステムを作ったことで仕事が大幅に効率化されました。
――IT化やアウトソーシングのコストがかさみませんか。
岩崎 もちろん会社の収支計画に基づいて判断しますが、基本的に赤字にならない限り、アウトソーシングやソフトには投資しています。利益を残すより、効率を上げたいという気持ちが強いんです。例えば、カタログなどに載せる商品の写真にしても、ちょっとカメラの腕のある社員に撮ってもらうと確かに安くつきます。でもその社員の時間を取られてします。ならば撮影はプロにお任せした方がいいんです。
今でも毎月、誰がどれくらい残業しているかを役職者会議で確認しています。理由がある残業はいいのです。「来月はお客様向けのイベントがあるから、○日までは週2回ほど1時間ずつ残業します」とか。でも理由のない残業は見逃さないようにしています。必ず理由を確認して、「じゃあ、翌々月からは残業しなくていいね」と。
なぜそこまでやっているかというと、やっぱり人間って楽な方に流れるので「ちょっと残業しちゃえ」となるんですよね。45人の社員のうち、そういう人が少しずつ増えてくると、だんだん長時間労働の風潮に戻ってしまうのです。
■「会社に貢献できない」と泣く社員
こうやって、残業しなくても仕事が回る仕組みができていったのですが、それでも社員の不満は消えませんでした。
――なぜですか。
岩崎 「仕事が楽しくない。やりがいがない」と。そう思っている社員が多いので、会社が暗いんです。どうすれば変わるのか、本当に悩みました。
会社の数字はうまくいっていても、一体感がまるでなかったので、すごく暗いし、全然和気あいあいという感じじゃなかったのです。私だけでなく、一緒に起業した取締役の日高(由紀子)も、そう感じていました。体調不良で倒れる社員が続いた時期もあったのです。
それで社員が元気になるような研修を探して、金融機関の方から「2泊3日で一体感が生まれる」という研修を紹介してもらいました。お互いの強み、弱みを理解したうえで会社の方向性を話し合って、最後に「自分たちが会社にどう貢献できるか」を宣言するというものでした。管理職と一般社員でチームを分けたところ、管理職のチームはすごくうまくいったんです。
ところが、一般社員の研修の最終日に、社員全員が「会社からまるで認められていないのに、そんな宣言はできない」と言って泣きだしたそうで。研修講師から電話がかかってきて「岩崎さん、大変です。今すぐこの研修の会場に来て、社員みんなに謝ってください」と言われたんです。
「早く帰れるようになったのに社員は暗く、やりがいを感じていなかった。どうすればいいのか、本当に悩んだ」という(写真:村田和聡)
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「早く帰れるようになったのに社員は暗く、やりがいを感じていなかった。どうすればいいのか、本当に悩んだ」という(写真:村田和聡)
私も日高もずっと夜中まで働いてノルマをこなすという働き方をしてきたので、早く帰れる会社を作りたかった。それは実現できたのですが、早く帰れるけどやりがいがまるでない会社になっちゃったんです。
例えば、私と日高は社員に、「仕事中に別の部署の社員とあまり話さないように」と言っていた時期がありました。ちゃんと理由があって、仕事の悩みや困っていることを、社員同士で話してもあまり解決にはならないので、上司に聞いた方が早いからなんです。でもそれをきちんと説明しないから、社員には伝わらない。
一事が万事そうで、私と日高が話し合って方針を決めると、それを前後の説明なく社員に下ろすので、社員にとっては「岩崎と日高が考えたことをその通りやりなさい」という軍隊みたいな組織になっていたのです。会議で発言すると、私たちにつぶされるから怖くて言い出せない。今回本を書くときに初めて聞いた話ですが、「社長がトイレに行っているときは、会いたくないからトイレに行かないように我慢していた」という社員もいたそうです。本当に暗黒時代だったんだなあと。
■会社が暗いのを社員のせいにした
今はそれに気づきましたが、当時は社員が悪いと思っていました。やる気がない。何でやる気がないんだろうと。私と日高は正しくて社員が間違っていると思っていました。それを変えるために、いろいろな経営手法を試行しました。
――会社の理念や行動規範も何度も変えたそうですね。
岩崎 出産を機に「感動、感謝、情熱」という最初の理念を作りました。「社員、取引先、お客様、全ての人に感謝します」といった、八方美人的なものだったんです。すると社員から「取引先を大事にするのに、相見積もりを取るのはおかしい」と指摘されました。「言ってることとやってることが違う」と思われてしまったのです。そこで第2バージョンを作りました。
これがまたダメで(苦笑)。理念に「私たち自らが人間力向上に努め」と書いたり、行動規範に「私たちは愚痴、陰口を言わず気持ちよく仕事します」という文言を入れたりしました。当時社内に「うちの会社最悪だよね」といった陰口がまん延していました。私がワンマンだったせいなのですが、それを社員のせいにしたわけです。今振り返ると、「人間力を上げなきゃいけないのはお前だよ」と当時の自分に言いたいですね。
■「丁寧に説明」を心がけ、変わり始める
どうしたらいいか分からず、いろいろなコンサルティング会社に「助けて」とお願いした時期もあります。ある会社が「岩崎さんと日高さんが絶対譲れない価値観を社員に発表するといい」と助言してくれました。そこで2人で話して、「挑戦」という価値観を決めました。「私たちは挑戦が好きだから会社を立ち上げた。勇気ある挑戦で事業領域を広げていこう」といったことを社員に話そうと。
それを発表すると、いつものように社員はぽかんとなるんですよ。「またうちの社長は誰かに何か、入れ知恵されたな」と。
でも今回は、なぜこうした価値観を打ち出したか、背景をちゃんと説明したのです。私と日高が1年かけて考え、決めたことを、社員にぽんと言うだけでは伝わらない。ようやくそれが分かったので、丁寧に説明して、少しずついい方に変わってきました。社員が自分の意見を言うようになり、私もぴしゃっとつぶすのをやめて任せるようになりました。
――丁寧に伝えるのは大事なことですね。
岩崎 さきほどアフター5に研修を受ける社員もいると話しましたが、ロジカルシンキングを学ぶことも推奨しています。
例えば社員が改善のアイデアを思い付いて、会議で発表しても「なぜそう思ったか」「それによって仕事がどう変わるか」まで説明できないと、「思い付き」と思われてしまいます。自分がそうだったからよく分かるのです、だから提案するときは「目的」「メリット」「懸念点」の3つを文書にまとめることをルール化しています。
ただパワーポイントで作り込むのは禁止で、必ずワード1枚でまとめてもらいます。社内会議の資料作りに時間をかけていたら、5時に帰れませんから。
〜ここまで〜
・ 部下のせいにせず、自分の説明の仕方が悪い。
→ 「丁寧に説明」を心がけ、変わり始める
・ 提案するときは「目的」「メリット」「懸念点」の3つを文書にまとめることをルール化
2016年9月22日木曜日
気になった記事 〜30歳代、40歳代を“排除”する効用 〜
今年6月、「G1新世代リーダーサミット」という若手経営者などが集う軽井沢でのイベントに初めて参加しました。次世代を担うリーダー層が集う「G1サミット」という一般社団法人の若手部会で、参加資格には各領域で活躍する「U40(アンダー40)」、つまり20歳~30歳代のリーダーという条件があります。
■上の世代取っ払う
発足した2013年当時、私はちょうど参加資格がなくなる40歳でした。自分が年寄り側に区分されたような気分で、冗談半分ですが「感じ悪いな」と言っていました。ところが今年、40歳代ながらパネリストとして呼んでいただき、その考えを改めました。G1関連のイベントには何度か参加しているのですが、これまで参加した中で、20歳~30歳代に限定したG1新世代リーダーサミットが一番、活気があったのです。
参加している20歳~30歳代のメンバーは皆、将来のリーダー候補として生き生きとした顔をしており、日本の将来はどうなっていくのか、社会問題をどう解決させていくのか、ビジネスとどう関わっていくか、意気揚々と話していました。ここで強く感じたのは、上の世代をあえて取っ払うことは若手のやる気や自主性を引き出すためには有効だ、ということです。
自分より経験も発言力もある上の世代がいると、若手はどうしても萎縮してしまいます。言いたいことがあっても、相手は自分よりも実績がある。言ったら否定されてしまうかもしれない。あるいは、恥ずかしい、という気持ちが勝って、言わずじまい――。という経験をしたことのある20歳~30歳代のビジネスパーソンは少なからずいるでしょう。
しかし、それでは人は育ちません。上の世代を取っ払った時に初めて、「自分たちがやらなければ」という自主性が生まれ、思考や発言も闊達になるのではないか。そう思い至り、サイバーエージェントでも今年から「アンダー30」に参加を限定した合宿を開催することにしました。
サイバーエージェントでは年に2度、経営陣を中心に「あした(未来)」につながる新規事業案をトーナメント方式で競い合う「あした会議」を合宿形式で開催しており、毎回、ここから様々な新規事業や社内改革案などが飛び出し、実行しています。今年8月、この若手版として、参加者を20歳代に限定した「YMCAあした会議」を初めて開催しました。
■頭ごなしに否定していた
結果から言えば、大成功。経営陣で私だけがオブザーバーとして参加したのですが、皆、寝ずにプレゼンテーションの準備をし、30歳代、40歳代のマネージャーがいるような場所では見られないような積極性が印象的でした。
若手だけに任せれば、彼ら彼女らは何とかするものです。2011年の秋、まだ内定者だった新人だけでスマートフォン向けマッチングアプリを作ったチームがいました。その後、サイバーエージェントの子会社して独立。別のビジネスを立ち上げたもののうまくいかず、クローズすることになりました。しかし、この子会社社長はまた別のサービスを子会社として立ち上げ、今ではそれなりの規模の収益を上げており、グループに貢献してくれています。
実を言うと、私は最初のビジネスには懐疑的で、どうしても上から目線で頭ごなしに言いたくなり、否定していました。しかし、たとえ失敗したとしても、それを糧とすることで成長し、結果、成功につながるものです。いくら“大人”がダメだと言っても、それが本当にダメな結果になるかなんてわからない。こうした事例やYMCAあした会議の成功で、上の世代が敢えて口を出さない、参加しない、というのは、組織の成長にとって重要な要素である、ということに気付かされた思いがします。
サイバーエージェントでは、YMCAあした会議の成功を受けて、ほかにも30歳代、40歳代を排除した、アンダー30の「マネージャー研修」や、技術者が議論し合う「技術フォーラム」などを開催していく計画です。我々、上の世代は、参加するとしても「講師役」にとどめ、運営も若い世代に任せるつもりです。皆さんの会社でも、「30」にこだわらずとも、「アンダー40」「アンダー50」に区切った試みをしてみてはいかがでしょうか。
〜ここまで〜
学ぶべきこと
・ 若手の発言に対し頭ごなしに否定しない。失敗を糧にできるかを見極めることも重要な要素。
■上の世代取っ払う
発足した2013年当時、私はちょうど参加資格がなくなる40歳でした。自分が年寄り側に区分されたような気分で、冗談半分ですが「感じ悪いな」と言っていました。ところが今年、40歳代ながらパネリストとして呼んでいただき、その考えを改めました。G1関連のイベントには何度か参加しているのですが、これまで参加した中で、20歳~30歳代に限定したG1新世代リーダーサミットが一番、活気があったのです。
参加している20歳~30歳代のメンバーは皆、将来のリーダー候補として生き生きとした顔をしており、日本の将来はどうなっていくのか、社会問題をどう解決させていくのか、ビジネスとどう関わっていくか、意気揚々と話していました。ここで強く感じたのは、上の世代をあえて取っ払うことは若手のやる気や自主性を引き出すためには有効だ、ということです。
自分より経験も発言力もある上の世代がいると、若手はどうしても萎縮してしまいます。言いたいことがあっても、相手は自分よりも実績がある。言ったら否定されてしまうかもしれない。あるいは、恥ずかしい、という気持ちが勝って、言わずじまい――。という経験をしたことのある20歳~30歳代のビジネスパーソンは少なからずいるでしょう。
しかし、それでは人は育ちません。上の世代を取っ払った時に初めて、「自分たちがやらなければ」という自主性が生まれ、思考や発言も闊達になるのではないか。そう思い至り、サイバーエージェントでも今年から「アンダー30」に参加を限定した合宿を開催することにしました。
サイバーエージェントでは年に2度、経営陣を中心に「あした(未来)」につながる新規事業案をトーナメント方式で競い合う「あした会議」を合宿形式で開催しており、毎回、ここから様々な新規事業や社内改革案などが飛び出し、実行しています。今年8月、この若手版として、参加者を20歳代に限定した「YMCAあした会議」を初めて開催しました。
■頭ごなしに否定していた
結果から言えば、大成功。経営陣で私だけがオブザーバーとして参加したのですが、皆、寝ずにプレゼンテーションの準備をし、30歳代、40歳代のマネージャーがいるような場所では見られないような積極性が印象的でした。
若手だけに任せれば、彼ら彼女らは何とかするものです。2011年の秋、まだ内定者だった新人だけでスマートフォン向けマッチングアプリを作ったチームがいました。その後、サイバーエージェントの子会社して独立。別のビジネスを立ち上げたもののうまくいかず、クローズすることになりました。しかし、この子会社社長はまた別のサービスを子会社として立ち上げ、今ではそれなりの規模の収益を上げており、グループに貢献してくれています。
実を言うと、私は最初のビジネスには懐疑的で、どうしても上から目線で頭ごなしに言いたくなり、否定していました。しかし、たとえ失敗したとしても、それを糧とすることで成長し、結果、成功につながるものです。いくら“大人”がダメだと言っても、それが本当にダメな結果になるかなんてわからない。こうした事例やYMCAあした会議の成功で、上の世代が敢えて口を出さない、参加しない、というのは、組織の成長にとって重要な要素である、ということに気付かされた思いがします。
サイバーエージェントでは、YMCAあした会議の成功を受けて、ほかにも30歳代、40歳代を排除した、アンダー30の「マネージャー研修」や、技術者が議論し合う「技術フォーラム」などを開催していく計画です。我々、上の世代は、参加するとしても「講師役」にとどめ、運営も若い世代に任せるつもりです。皆さんの会社でも、「30」にこだわらずとも、「アンダー40」「アンダー50」に区切った試みをしてみてはいかがでしょうか。
〜ここまで〜
学ぶべきこと
・ 若手の発言に対し頭ごなしに否定しない。失敗を糧にできるかを見極めることも重要な要素。
2016年6月23日木曜日
大プロジェクトの幹部に「イエスマン」を求めた理由 〜気になった記事〜
人に任せて」甘かったと気づいた
このAbemaTVは、私が総合プロデューサーとしてプロジェクトを指揮しました。その際、意図して私の言う言葉に疑いを持たず、全力で支持、協力してくれる体制をつくりました。言葉は悪いですが、幹部に据えた人材全員に「イエスマン」になるよう求めたのです。
ただし、私は手柄を独り占めしたいタイプでも、権力を握りたいタイプでもありません。それに、そもそもサイバーエージェントは、「人に任せて伸ばす」という経営スタイルを得意としており、それが成功体験となっています。
任せる時は「中途半端に口出しをせず、とにかく一任して気持よく仕事をしてもらう」と決めており、それが会社の規模拡大の源泉となってきたという自負があります。例えば最近では、広告代理店事業やゲーム事業について、主力事業であるにもかかわらず、私はほとんど見ていません。そうした任せている事業に関するニュースを、極端な話、朝、新聞で知ることもあるほどです。
だからAbemaTVに関しても、プロジェクトが立ち上がった最初のうちは、ある程度は担当役員に任せていました。しかしその考えが「甘かった」ということに、すぐに気づくのです。
AbemaTVの構想はある意味、私のアタマの中にしかありませんでした。地上波テレビと同等の質のコンテンツを、スマートフォン向けに24時間無料でテレビのように流し続けるという、世界的にも類をみないメディアです。しかし現場からは、「同じようなモデルの他社の動画配信『NOTTV』は撤退が決まった」「テレビ型ではなく、オンデマンド型の方が時代にあっている」といった声が噴出しました。
■かつての失敗
これまでにない新しい事業を立ち上げる時、不安要素やダメな理由はいくらでも言うことができます。しかし、それでは全く新しい斬新なサービスなど立ち上がりません。ましてや内部からの不安をあおるような声は、皆の動揺を誘います。「これでは間違った方向に進んでしまう」と憂慮した私は、すぐに手を打ちました。
私の直下で働いていた担当役員には、私の求めることに「NO」とは言わず、イエスマンに変わるよう求めました。加えて、常に「満額回答」をくれるような人材をこのプロジェクトの幹部として招集し、私自身が現場に対して細かく口を出す体制へと刷新したのです。幸い今回は、過去の経験が生きて早期に気づくことができ、プロジェクトは軌道に乗りました。
この経営者ブログで2年前に掲載した「若い経営者を待ち受けるワナ」という記事でも触れていますが、私はかつて、「Ameba(アメーバ)」というメディア事業を立ち上げるにあたり、任せることと、人任せの「無責任」を履き違えてしまい、苦慮した経験があります。この時、私は任せていた幹部3人を更迭し、私の求めることに応えてくれる幹部に入れ替えました。
断っておくと、当時更迭した3人は皆、能力が高く、その後も別の分野でそれぞれ活躍しています。加えて、そのような手法は、独裁的で、人が育たないと批判されがちであることはわかっています。それでも、ゼロから新しいものを生む時は、全社が一丸となるような勢いやパワーが必要なこともある。1人のリーダーが圧倒的な強権をもって臨まないと前に進まないこともある。そのことを、私はかつての経験で学んでいたのです。
任せて伸ばすのか、全責任を負って独裁的にやるのか。状況を見極めつつ、この正反対の経営スタイルを使い分けていくことの重要さを、今回も改めて学びました。最後に、今回イエスマンとなってくれた幹部たちも、皆、事業を成功させるために私に協力してくれているだけであり、もちろん日ごろは自分で考え自律的に動くことができる優秀な人材であるということを付け加えておきます。
〜ここまで〜
任せて伸ばすのか、全責任を負って独裁的にやるのか。状況を見極めつつやるしかない。
このAbemaTVは、私が総合プロデューサーとしてプロジェクトを指揮しました。その際、意図して私の言う言葉に疑いを持たず、全力で支持、協力してくれる体制をつくりました。言葉は悪いですが、幹部に据えた人材全員に「イエスマン」になるよう求めたのです。
ただし、私は手柄を独り占めしたいタイプでも、権力を握りたいタイプでもありません。それに、そもそもサイバーエージェントは、「人に任せて伸ばす」という経営スタイルを得意としており、それが成功体験となっています。
任せる時は「中途半端に口出しをせず、とにかく一任して気持よく仕事をしてもらう」と決めており、それが会社の規模拡大の源泉となってきたという自負があります。例えば最近では、広告代理店事業やゲーム事業について、主力事業であるにもかかわらず、私はほとんど見ていません。そうした任せている事業に関するニュースを、極端な話、朝、新聞で知ることもあるほどです。
だからAbemaTVに関しても、プロジェクトが立ち上がった最初のうちは、ある程度は担当役員に任せていました。しかしその考えが「甘かった」ということに、すぐに気づくのです。
AbemaTVの構想はある意味、私のアタマの中にしかありませんでした。地上波テレビと同等の質のコンテンツを、スマートフォン向けに24時間無料でテレビのように流し続けるという、世界的にも類をみないメディアです。しかし現場からは、「同じようなモデルの他社の動画配信『NOTTV』は撤退が決まった」「テレビ型ではなく、オンデマンド型の方が時代にあっている」といった声が噴出しました。
■かつての失敗
これまでにない新しい事業を立ち上げる時、不安要素やダメな理由はいくらでも言うことができます。しかし、それでは全く新しい斬新なサービスなど立ち上がりません。ましてや内部からの不安をあおるような声は、皆の動揺を誘います。「これでは間違った方向に進んでしまう」と憂慮した私は、すぐに手を打ちました。
私の直下で働いていた担当役員には、私の求めることに「NO」とは言わず、イエスマンに変わるよう求めました。加えて、常に「満額回答」をくれるような人材をこのプロジェクトの幹部として招集し、私自身が現場に対して細かく口を出す体制へと刷新したのです。幸い今回は、過去の経験が生きて早期に気づくことができ、プロジェクトは軌道に乗りました。
この経営者ブログで2年前に掲載した「若い経営者を待ち受けるワナ」という記事でも触れていますが、私はかつて、「Ameba(アメーバ)」というメディア事業を立ち上げるにあたり、任せることと、人任せの「無責任」を履き違えてしまい、苦慮した経験があります。この時、私は任せていた幹部3人を更迭し、私の求めることに応えてくれる幹部に入れ替えました。
断っておくと、当時更迭した3人は皆、能力が高く、その後も別の分野でそれぞれ活躍しています。加えて、そのような手法は、独裁的で、人が育たないと批判されがちであることはわかっています。それでも、ゼロから新しいものを生む時は、全社が一丸となるような勢いやパワーが必要なこともある。1人のリーダーが圧倒的な強権をもって臨まないと前に進まないこともある。そのことを、私はかつての経験で学んでいたのです。
任せて伸ばすのか、全責任を負って独裁的にやるのか。状況を見極めつつ、この正反対の経営スタイルを使い分けていくことの重要さを、今回も改めて学びました。最後に、今回イエスマンとなってくれた幹部たちも、皆、事業を成功させるために私に協力してくれているだけであり、もちろん日ごろは自分で考え自律的に動くことができる優秀な人材であるということを付け加えておきます。
〜ここまで〜
任せて伸ばすのか、全責任を負って独裁的にやるのか。状況を見極めつつやるしかない。
2016年5月18日水曜日
本日の気になった記事
残業削減のため様々な知恵を絞る日本企業だが、成果を上げているのは一部にとどまる。残業が減らない背景には、経営層の1つの誤解と、諸外国にはない2つの事情がある。日本人は皆、家に帰りたくない──。そのぐらいの前提に立って対策を練らないと残業は減らない。
24時間戦えますか──。
バブル華やかなりし1988年、こんなキャッチコピーのCMが流行した。俳優の時任三郎氏を起用した、三共(現・第一三共ヘルスケア)のドリンク剤「リゲイン」のCMだ。24時間戦ったかはともかく、昭和はそのぐらい「残業が当たり前の時代」だった。
■バブル崩壊後残業は減ったか
が、その後、バブルが崩壊。社員は一転、効率性を要求されるようになり、企業も残業削減のため様々な施策を打ち出した。
裁量労働制やフレックス制、在宅勤務、サマータイム、早朝出勤制などを導入し「無駄のない働き方」を目指した企業もあれば、定時消灯や罰金制、事前申告制などにより半ば強引に労働時間の短縮を図った企業もある。社員に定時帰宅を促す「ノー残業デー」を設置するのも定番になってきた。
さて、これだけやって、日本企業の残業はバブル崩壊直後に比べどれだけ減っただろうか。
その答えは、大して変わらない、だ。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると現在、パートタイム労働者や短時間労働者以外の一般労働者の年間総労働時間は2026時間(2015年)。20年前の1995年(2038時間)とほぼ同水準で、横ばいを続けている。
諸外国に比べ低い生産性の向上が日本経済活性化のカギと言われる中、政府もこうした状況を改善しようと、様々な施策に着手している。今春には、1カ月の残業が80時間を超える社員が1人でもいる事業所に対し、立ち入り調査する方針まで発表した。
■あの手この手の残業対策
企業も手をこまぬいているばかりではない。これまで以上に数多くの工夫をして残業撲滅を図る動きも出てきている。
りそなホールディングスの東京本社では午後5時25分になると音楽が流れる。故・坂本九氏のヒット曲でもある「明日があるさ」だ。終業時刻を知らせて帰宅を促すのが目的で、ある社員は「この曲を聞くと『仕事に区切りをつけねば』という気持ちになる」と話す。
1人当たり1日平均100分の残業があるという同社。その対策として昨年度実施したのが「スマート10チャレンジ」プロジェクトだ。生産性を高め残業時間を10%相当の10分減らす取り組みである。結果は「1人当たり5分程度の残業削減につながった」(人材サービス部の神崎亨・グループリーダー)という。
味の素は5月から本社ビルの消灯時刻を、ノー残業デーを実施している水曜日に限り現行の午後8時から午後6時に前倒しすることを決めた。7月からは、それ以外の日も午後7時に1時間前倒しする。来年からは、給与を減らさずに基本就業時間も20分短縮する予定だ。「生産性向上に対する社員のモチベーションが高まることを経営陣も期待している」と人事部の森卓也・労務グループ長は話す。
残業を減らせば、それだけ多くボーナスがもらえる。そんな施策を打ち出したのは大手システム開発会社のSCSKだ。
2011年に社長に就任した中井戸信英・現相談役の下、「残業半減」を目標に設定。達成した部門に賞与で還元する仕組みを導入した。結果は順調で、「2014年度には全社員の平均残業時間は、対策実施以前の約35時間から18時間台まで軽減できた」と人事企画部長の小林良成理事は話す。
電子部品商社のNTW Inc.(安田隆社長、東京都千代田区)は、残業しそうになった社員が周囲の社員に助けを求める「12時ツイート」を実施している。文字通り、同社の社員は毎日正午、その日の仕事が順調か周囲に口頭でつぶやく。同社のオフィスを訪れた4月26日も、昼12時になるとあちこちから「私、困っています」「私は大丈夫です」といった声が上がった。
東京都中央区にある介護事業のシステム開発や人材派遣を手掛けるセントワークスも、社員の業務の進捗を細かく管理し残業を防ごうとしている。社員は毎朝、出社するとその日の予定を書いた「朝メール」を部署の全社員に送付。また、残業禁止日には社員は退社時刻を示すマントを着て残業する。
一方、名古屋市にあるIT(情報技術)ベンチャー、Misocaの豊吉隆一郎社長は、自ら残業ゼロを続けることで、残業増加に歯止めをかけている。「トップが効率的な仕事を心がけていれば、会社全体もおのずとそうなる」(豊吉社長)。東京都中央区にある化粧品会社ランクアップも、トップ自ら長時間労働をなくし、ほぼ残業ゼロを実現した企業。「今年3月の社員の平均残業時間は3時間。5時間残業した社員が残業の多いトップクラスにいる状況」と岩崎裕美子社長は話す。
大企業からベンチャーまで、まさにあの手この手で残業削減に立ち向かっている日本企業。だが、他の一般的な企業が、結果を出しているこうした先進企業の取り組みを形だけまねしても、まずうまくいかない。だからこそ、日本人の総労働時間は20年前と同じなのだ。
■「抜け穴はいくらでもある」
歌を聞いて「仕事に区切りをつけねば」などと感じてくれる社員ばかりではない。「ウチにも就業時間の終わりを告げる放送が流れるが、皆、何食わぬ顔で仕事を続行している。自分もそう」(IT、20代)
一見、効果がありそうな強制消灯も「自前の電気スタンドを持ち込んだり、一回退社したように見せかけて戻ってきたり、抜け穴はいくらでもある」(流通、40代)
残業しそうな社員を他の社員が手伝う方法についても「仕事が終わらないから残業している社員だけじゃない。意味もなく残業している社員には効果なし。仕事なんてその気になればいくらでも増やせる」(製造、50代)
残業削減社員の賞与を増やす方法も高収入の社員には効き目が薄い。「年収が100万円、200万円変わってくるならまだしも、わずかな額なら今の仕事のやり方を変えようとは思わない」(金融、50代)
経営層の中には、自社の残業削減策がいかに無意味か、どこか自慢げに話す現場社員たちに、混乱する人もいるはずだ。「そもそも君たちは、残業したくないのではなかったのか」と。
実はその疑問にこそ、日本企業が昭和の時代から残業を減らすことができない真の理由がある。働き方に詳しい専門家の意見を基に、編集部がたどり着いた新説を説明しよう。
多くの経営者は、残業削減のメカニズムを次のような公式で捉えている。
残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上
だがこれは不完全で、正しい公式はこうなる。
残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上×社員の家に帰りたい気持ち
新たに加わった3つ目の要素は強力で、これこそが日本の残業が減らない根本的な原因だ。千葉商科大学国際教養学部の常見陽平・専任講師がずばり言う。「日本人は総じて『家に帰りたい気持ち』が低いように思える。だから、会社が仕事量を減らしたり、業務効率化を進めたりしても、それだけでは残業の削減が進まない」
では、なぜ平均的日本人は家に帰りたくないのか。その原因は2つある(帰りたくても組織的圧力で帰ることができなかったり、会社の人員構成上の問題などで各人の仕事量が常軌を逸したりする、いわゆる「ブラック企業」の残業についてはここでは触れない)。
■帰りたくない理由(1)残業すれば出世するから
誰もが薄々感じていながら実証できなかった、この身も蓋もない事実をデータで証明したのが独立行政法人の経済産業研究所だ。
同研究所は、ある大手メーカーの人事データを用いて、労働時間の長さと、昇進確率の関係を分析した。それが下の図で、男女とも労働時間が長いほど昇進確率が高まる傾向にある。
とりわけ女性における相関関係は鮮明で、年間総労働時間1800時間未満の人の昇進確率に対し2300時間以上の人は5倍を超える。「長時間労働が難しい女性は昇進機会の少ない働き方に振り分けられるのがその理由だろう」。同研究所の客員研究員、米シカゴ大学の山口一男教授はこうコメントする。
■週63時間以上働くのは無意味
長く働くから出世するのか、出世するから労働時間が延びるのか。ここでその因果関係を解明することに意味はない。社員にとって大事なのは、「日本企業では総じて、残業しないと、会社の中枢にいられる確率が下がる」という事実だけだ。
「50~60代が中核をなす、現在の経営トップはバブルを知る世代。時間をかければ成果が上がった自らの成功体験もあって、遅くまで働いている社員を評価する傾向がいまだにある」。約250社で残業削減の支援を手掛けた経験を持つ、社会保険労務士の望月建吾氏はこう分析する。
米スタンフォード大学経済学部のジョン・ペンカベル教授は2014年、「週50時間以上働くと労働生産性が下がり、63時間以上働くとむしろ仕事の成果が減る」という調査をまとめた。70時間、100時間働こうと、その成果は63時間の労働より少なくなるというわけだ。
現場社員の多くは、“そんなこと”はとっくに気が付いている。だが、誰だって、仕事を効率よくこなすことより、中長期にわたって会社に居場所を作ることの方が大切だ。
「出世を狙う社員にとっての最適戦略は、効率など気にせずとにかく膨大な仕事をこなすこと」。たとえそれが誤解でも、多くの社員がそう思っている間は残業は減らない。
■帰りたくない理由(2)帰ってもろくなことがないから
ブラック企業のように組織的圧力があるわけでもなく、今日やらねばならぬ仕事があるわけでもないのに今日も無駄な残業に精を出す。そんな社員の中には、出世や収入増にさほど関心がない人もいる。彼らが帰らない理由もまた、身も蓋もない。「帰ってもろくなことがない」だ。
「自分だけでもいいので、ノー残業デーを水曜以外にしてもらえないか」
あるメーカーの工場で最近、50代の社員、A氏から人事部にこんな奇妙な相談が舞い込んだ。なぜ水曜だと駄目なのか。聞くと、別の会社に勤める妻がやはり水曜がノー残業デーで、お互い早めに帰宅すると、家で気まずいのだという。
男性の中には、家事をやりたくないから家に帰りたくない、という人もいまだ多い。「多くの日本人男性は残業のおかげで家事を放棄できていた。残業がなくなるとこの“特権”がなくなる」。千葉商科大の常見専任講師はこう解説する。
女性にも、家事や晩ご飯を用意するのが嫌で帰るのがおっくうな人はいる。「夫婦仲が悪いわけではないけど、何かと面倒なので、ノー残業デーでも食事会があるなど適当な理由をつけて、いつも通りの時間に帰るようにしている」(サービス業、30代)
「ろくなことがないから」と家に帰ろうとしない社員は既婚者だけではない。
印刷メーカーで働くBさんは35歳の独身女性。20代の頃は英会話教室に通ったり、異業種交流会に出席したり自分磨きに力を入れていたから、残業は少なかった。
「しかし32歳を過ぎた頃から、自己啓発に励んできた友人たちが結婚や出産でいなくなり、自分も何だか疲れちゃって、だらだらと残業するようになった。変に思われるかもしれないけど、今は難しいことを考えず残業するのが一番、気が楽」。Bさんは自嘲気味にこう話す。
今、首都圏近郊のベッドタウン近くの居酒屋、ファミリーレストラン、パチンコ店、サウナは毎週水曜、かつてないにぎわいを見せている。ノー残業デーを導入した企業に勤める退社後に行くあてのない社員たちが集まっている、というのだ。
本誌も神奈川県某駅周辺に行き、そうした事実を確認するとともに、ファミレスで飲酒しながら明らかに時間を潰していた52歳のC氏に話を聞いた。
「水曜は午後3時頃から憂鬱になる」。中堅商社で働くというC氏はこうため息をつく。ノー残業デーが試験的に始まった今も水曜日以外は午後9時に退社している。業務が忙しいわけではないが、残業で退社時間を遅らせている。それが水曜日に限ってはできない。
同僚と飲みに行くこともめっきり減った。C氏の役職は係長だが、課長は年下。敬遠されている雰囲気をこちらも察し、一緒に飲みに行くことはほとんどない。
そして家にも居場所はなし。中学生と高校生の子供がいるが、育児を手伝うこともなく、毎晩遅く飲み歩いたことが響いてか、あまり懐かれていない。とはいえ、教育費は増え小遣いは減る一方。会社を早く出ても遊ぶことはできず、ファミレスで数時間過ごし、30分ほど歩いて時間を稼ぎながら帰るのだという。
「ノー残業デーだけはやめてほしい」。酔いも手伝ってか、C氏は取材中、何度もつらそうにつぶやいた。
■活気づく“残業難民ビジネス”
こうした“ノー残業デー難民”があくまで少数派なのか、かなりの割合を占めるのか推測する統計などは、まだない。だが、企業の中には、その数が相当数に上るとみて、専用のニュービジネスを始める動きが活発化している。
吉野家はアルコールやつまみ類などの居酒屋メニューを夜間に提供する「吉呑み(よしのみ)」サービスを全店に拡大する。スターバックスコーヒーは一部店舗でアルコールの提供を開始した。「ノー残業デー後の時間を過ごす人が有力ターゲットの一つ」と千葉商科大の常見専任講師は話す。
「大企業がノー残業デーを始めると聞いて需要がありそうだと気付いた」。自習室「勉強カフェ」を運営するブックマークス(東京都渋谷区)の山村宙史社長はこう話す。
勉強する必要はなく、読書をしたり、仕事の続きをしたりするなど様々な用途に活用可能。コンビニエンスストアで買ってきた総菜を食べることもできる。まさに居場所だ。当初は、外苑前や田町といった都市部に出店してきたが、今後は“ノー残業デー需要”を狙い東京西部の国分寺や、川崎の溝の口など郊外での出店を強化していくという。
* * *
日本で残業の削減が進まない背景には、「家に帰りたくない」という諸外国には見られないだろう理由がある──。この仮説が正しいとすれば、企業はどうすればいいのか。
まず、「出世には残業が必須」と考えている社員を減らすには、経営層がその事実を明確に否定し、かつ、残業時間と昇進が連動するメカニズムを検証、改善する必要がある。場合によっては、無駄な残業をしている社員の評価を大きく引き下げてもいい(残業と昇進を負の相関関係にする)。
「パソコンは原則、終業時間にシャットダウン」「会議は立って短時間で終了」。そんな大胆な生産性向上策で知られるキヤノン電子の酒巻久社長は「定時で帰れないのは能力が低い証拠」と断言する。
だが、ここまでしても、出世にも収入増にも関心がなく「帰ってもろくなことがない」との理由で残業をやめない社員を突き動かすのは難しい。理屈の上では、帰ったら楽しいことがあるように会社が支援する手があるが、現実的には難しい。よほど強硬なものならともかく、強制消灯も残業削減奨励策も、彼らの前では無力であることは既に指摘した。
「だったら、そんな社員はもう放っておけばいい。どうせ残業代は出さないのだから経営に大きなダメージはない」という考え方もある。
が、それはコンプライアンス(法令順守)上、問題が発生する可能性が高い。
「万一残業の未払い問題や過労死が発生した際、『社員が勝手に働いた』という反論は通用する可能性が低い。残業代を支払ったり、事件が報道され風評被害を受けたりするリスクは免れない」。労務問題に詳しい法律事務所アルシエンの竹花元・弁護士はこう警鐘を鳴らす。
やはり、企業は社員に自発的に帰宅してもらうしかない。そのための数少ない方法がこれだ。
(1)残業を申告制にする
(2)申告の手続きを、「家に帰る苦痛」より、大幅に物理的・心理的苦痛を伴うものとする
日本の産業界には、この“最終手段”で成果を上げた経営者がいる。元トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長で、元祖・残業削減のプロ、吉越浩一郎氏だ。1992年に同社社長に就任後、19期連続増収増益を達成した吉越氏。それを支えたのは徹底的な生産性向上で、その柱をなしたのが「残業ゼロ」だった。
就任当初は、定時になると自ら社内中を消灯して回り、社員を追い出していた。が、一部の社員は会社に戻って電気をつけ、仕事をしてしまう。らちが明かないと感じた吉越氏が導入したのが残業申告制だった。
「どうしても残業しなければならない場合は許可するが、その代わり、残業した社員には徹底した反省会とリポート提出をしてもらう」。これが仕組みの骨子。申告制自体は既に導入している企業も多いが、トリンプで特徴的だったのは反省会とリポートだ。
■リポートを延々と突き返す
反省会は、残業した翌日から同じ理由で残業が絶対に起きないよう何回でも開かせる。さらに「なぜ、残業をしなければならなかったのか」「どうしたら残業をせずに済むか」について、再発防止策を詳しく書いたリポートの提出も義務付けた。
リポートは1回書いて終わりではない。繰り返し添削して、内容的に大した問題がなくても何度も突き返した。何度も、何度も、だ。反省会とリポートで業務に支障が出ても、意に介さなかった。
社員の中には「理不尽な仕組みだ」「社長はおかしい」と怒り出す者もいたが、そうこうしているうちに少しずつ「こんな大変な思いをするなら、自分の仕事の進め方やプライベートの過ごし方を本気で見直し、残業のない生活をした方が楽だ」と考える社員が増えていったという。
「残業したらどんな苦難が待ち受けるか身をもって知った社員たちは、定時までに業務を終わらせようと、必死で仕事をするようになった。無駄口をたたく社員は減り、就業時間中のオフィスがすっかり静かになった」。吉越氏はこう振り返る。
昭和の時代から続く悪しき伝統「無駄な残業」を退治するためには、生半可な対策では不十分だ。
日本人は皆、家に帰りたくない──。そのぐらい大胆な前提に立って、本気で対策を練らないと残業は減ることなく、日本企業の生産性は永遠に上がらない。
24時間戦えますか──。
バブル華やかなりし1988年、こんなキャッチコピーのCMが流行した。俳優の時任三郎氏を起用した、三共(現・第一三共ヘルスケア)のドリンク剤「リゲイン」のCMだ。24時間戦ったかはともかく、昭和はそのぐらい「残業が当たり前の時代」だった。
■バブル崩壊後残業は減ったか
が、その後、バブルが崩壊。社員は一転、効率性を要求されるようになり、企業も残業削減のため様々な施策を打ち出した。
裁量労働制やフレックス制、在宅勤務、サマータイム、早朝出勤制などを導入し「無駄のない働き方」を目指した企業もあれば、定時消灯や罰金制、事前申告制などにより半ば強引に労働時間の短縮を図った企業もある。社員に定時帰宅を促す「ノー残業デー」を設置するのも定番になってきた。
さて、これだけやって、日本企業の残業はバブル崩壊直後に比べどれだけ減っただろうか。
その答えは、大して変わらない、だ。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると現在、パートタイム労働者や短時間労働者以外の一般労働者の年間総労働時間は2026時間(2015年)。20年前の1995年(2038時間)とほぼ同水準で、横ばいを続けている。
諸外国に比べ低い生産性の向上が日本経済活性化のカギと言われる中、政府もこうした状況を改善しようと、様々な施策に着手している。今春には、1カ月の残業が80時間を超える社員が1人でもいる事業所に対し、立ち入り調査する方針まで発表した。
■あの手この手の残業対策
企業も手をこまぬいているばかりではない。これまで以上に数多くの工夫をして残業撲滅を図る動きも出てきている。
りそなホールディングスの東京本社では午後5時25分になると音楽が流れる。故・坂本九氏のヒット曲でもある「明日があるさ」だ。終業時刻を知らせて帰宅を促すのが目的で、ある社員は「この曲を聞くと『仕事に区切りをつけねば』という気持ちになる」と話す。
1人当たり1日平均100分の残業があるという同社。その対策として昨年度実施したのが「スマート10チャレンジ」プロジェクトだ。生産性を高め残業時間を10%相当の10分減らす取り組みである。結果は「1人当たり5分程度の残業削減につながった」(人材サービス部の神崎亨・グループリーダー)という。
味の素は5月から本社ビルの消灯時刻を、ノー残業デーを実施している水曜日に限り現行の午後8時から午後6時に前倒しすることを決めた。7月からは、それ以外の日も午後7時に1時間前倒しする。来年からは、給与を減らさずに基本就業時間も20分短縮する予定だ。「生産性向上に対する社員のモチベーションが高まることを経営陣も期待している」と人事部の森卓也・労務グループ長は話す。
残業を減らせば、それだけ多くボーナスがもらえる。そんな施策を打ち出したのは大手システム開発会社のSCSKだ。
2011年に社長に就任した中井戸信英・現相談役の下、「残業半減」を目標に設定。達成した部門に賞与で還元する仕組みを導入した。結果は順調で、「2014年度には全社員の平均残業時間は、対策実施以前の約35時間から18時間台まで軽減できた」と人事企画部長の小林良成理事は話す。
電子部品商社のNTW Inc.(安田隆社長、東京都千代田区)は、残業しそうになった社員が周囲の社員に助けを求める「12時ツイート」を実施している。文字通り、同社の社員は毎日正午、その日の仕事が順調か周囲に口頭でつぶやく。同社のオフィスを訪れた4月26日も、昼12時になるとあちこちから「私、困っています」「私は大丈夫です」といった声が上がった。
東京都中央区にある介護事業のシステム開発や人材派遣を手掛けるセントワークスも、社員の業務の進捗を細かく管理し残業を防ごうとしている。社員は毎朝、出社するとその日の予定を書いた「朝メール」を部署の全社員に送付。また、残業禁止日には社員は退社時刻を示すマントを着て残業する。
一方、名古屋市にあるIT(情報技術)ベンチャー、Misocaの豊吉隆一郎社長は、自ら残業ゼロを続けることで、残業増加に歯止めをかけている。「トップが効率的な仕事を心がけていれば、会社全体もおのずとそうなる」(豊吉社長)。東京都中央区にある化粧品会社ランクアップも、トップ自ら長時間労働をなくし、ほぼ残業ゼロを実現した企業。「今年3月の社員の平均残業時間は3時間。5時間残業した社員が残業の多いトップクラスにいる状況」と岩崎裕美子社長は話す。
大企業からベンチャーまで、まさにあの手この手で残業削減に立ち向かっている日本企業。だが、他の一般的な企業が、結果を出しているこうした先進企業の取り組みを形だけまねしても、まずうまくいかない。だからこそ、日本人の総労働時間は20年前と同じなのだ。
■「抜け穴はいくらでもある」
歌を聞いて「仕事に区切りをつけねば」などと感じてくれる社員ばかりではない。「ウチにも就業時間の終わりを告げる放送が流れるが、皆、何食わぬ顔で仕事を続行している。自分もそう」(IT、20代)
一見、効果がありそうな強制消灯も「自前の電気スタンドを持ち込んだり、一回退社したように見せかけて戻ってきたり、抜け穴はいくらでもある」(流通、40代)
残業しそうな社員を他の社員が手伝う方法についても「仕事が終わらないから残業している社員だけじゃない。意味もなく残業している社員には効果なし。仕事なんてその気になればいくらでも増やせる」(製造、50代)
残業削減社員の賞与を増やす方法も高収入の社員には効き目が薄い。「年収が100万円、200万円変わってくるならまだしも、わずかな額なら今の仕事のやり方を変えようとは思わない」(金融、50代)
経営層の中には、自社の残業削減策がいかに無意味か、どこか自慢げに話す現場社員たちに、混乱する人もいるはずだ。「そもそも君たちは、残業したくないのではなかったのか」と。
実はその疑問にこそ、日本企業が昭和の時代から残業を減らすことができない真の理由がある。働き方に詳しい専門家の意見を基に、編集部がたどり着いた新説を説明しよう。
多くの経営者は、残業削減のメカニズムを次のような公式で捉えている。
残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上
だがこれは不完全で、正しい公式はこうなる。
残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上×社員の家に帰りたい気持ち
新たに加わった3つ目の要素は強力で、これこそが日本の残業が減らない根本的な原因だ。千葉商科大学国際教養学部の常見陽平・専任講師がずばり言う。「日本人は総じて『家に帰りたい気持ち』が低いように思える。だから、会社が仕事量を減らしたり、業務効率化を進めたりしても、それだけでは残業の削減が進まない」
では、なぜ平均的日本人は家に帰りたくないのか。その原因は2つある(帰りたくても組織的圧力で帰ることができなかったり、会社の人員構成上の問題などで各人の仕事量が常軌を逸したりする、いわゆる「ブラック企業」の残業についてはここでは触れない)。
■帰りたくない理由(1)残業すれば出世するから
誰もが薄々感じていながら実証できなかった、この身も蓋もない事実をデータで証明したのが独立行政法人の経済産業研究所だ。
同研究所は、ある大手メーカーの人事データを用いて、労働時間の長さと、昇進確率の関係を分析した。それが下の図で、男女とも労働時間が長いほど昇進確率が高まる傾向にある。
とりわけ女性における相関関係は鮮明で、年間総労働時間1800時間未満の人の昇進確率に対し2300時間以上の人は5倍を超える。「長時間労働が難しい女性は昇進機会の少ない働き方に振り分けられるのがその理由だろう」。同研究所の客員研究員、米シカゴ大学の山口一男教授はこうコメントする。
■週63時間以上働くのは無意味
長く働くから出世するのか、出世するから労働時間が延びるのか。ここでその因果関係を解明することに意味はない。社員にとって大事なのは、「日本企業では総じて、残業しないと、会社の中枢にいられる確率が下がる」という事実だけだ。
「50~60代が中核をなす、現在の経営トップはバブルを知る世代。時間をかければ成果が上がった自らの成功体験もあって、遅くまで働いている社員を評価する傾向がいまだにある」。約250社で残業削減の支援を手掛けた経験を持つ、社会保険労務士の望月建吾氏はこう分析する。
米スタンフォード大学経済学部のジョン・ペンカベル教授は2014年、「週50時間以上働くと労働生産性が下がり、63時間以上働くとむしろ仕事の成果が減る」という調査をまとめた。70時間、100時間働こうと、その成果は63時間の労働より少なくなるというわけだ。
現場社員の多くは、“そんなこと”はとっくに気が付いている。だが、誰だって、仕事を効率よくこなすことより、中長期にわたって会社に居場所を作ることの方が大切だ。
「出世を狙う社員にとっての最適戦略は、効率など気にせずとにかく膨大な仕事をこなすこと」。たとえそれが誤解でも、多くの社員がそう思っている間は残業は減らない。
■帰りたくない理由(2)帰ってもろくなことがないから
ブラック企業のように組織的圧力があるわけでもなく、今日やらねばならぬ仕事があるわけでもないのに今日も無駄な残業に精を出す。そんな社員の中には、出世や収入増にさほど関心がない人もいる。彼らが帰らない理由もまた、身も蓋もない。「帰ってもろくなことがない」だ。
「自分だけでもいいので、ノー残業デーを水曜以外にしてもらえないか」
あるメーカーの工場で最近、50代の社員、A氏から人事部にこんな奇妙な相談が舞い込んだ。なぜ水曜だと駄目なのか。聞くと、別の会社に勤める妻がやはり水曜がノー残業デーで、お互い早めに帰宅すると、家で気まずいのだという。
男性の中には、家事をやりたくないから家に帰りたくない、という人もいまだ多い。「多くの日本人男性は残業のおかげで家事を放棄できていた。残業がなくなるとこの“特権”がなくなる」。千葉商科大の常見専任講師はこう解説する。
女性にも、家事や晩ご飯を用意するのが嫌で帰るのがおっくうな人はいる。「夫婦仲が悪いわけではないけど、何かと面倒なので、ノー残業デーでも食事会があるなど適当な理由をつけて、いつも通りの時間に帰るようにしている」(サービス業、30代)
「ろくなことがないから」と家に帰ろうとしない社員は既婚者だけではない。
印刷メーカーで働くBさんは35歳の独身女性。20代の頃は英会話教室に通ったり、異業種交流会に出席したり自分磨きに力を入れていたから、残業は少なかった。
「しかし32歳を過ぎた頃から、自己啓発に励んできた友人たちが結婚や出産でいなくなり、自分も何だか疲れちゃって、だらだらと残業するようになった。変に思われるかもしれないけど、今は難しいことを考えず残業するのが一番、気が楽」。Bさんは自嘲気味にこう話す。
今、首都圏近郊のベッドタウン近くの居酒屋、ファミリーレストラン、パチンコ店、サウナは毎週水曜、かつてないにぎわいを見せている。ノー残業デーを導入した企業に勤める退社後に行くあてのない社員たちが集まっている、というのだ。
本誌も神奈川県某駅周辺に行き、そうした事実を確認するとともに、ファミレスで飲酒しながら明らかに時間を潰していた52歳のC氏に話を聞いた。
「水曜は午後3時頃から憂鬱になる」。中堅商社で働くというC氏はこうため息をつく。ノー残業デーが試験的に始まった今も水曜日以外は午後9時に退社している。業務が忙しいわけではないが、残業で退社時間を遅らせている。それが水曜日に限ってはできない。
同僚と飲みに行くこともめっきり減った。C氏の役職は係長だが、課長は年下。敬遠されている雰囲気をこちらも察し、一緒に飲みに行くことはほとんどない。
そして家にも居場所はなし。中学生と高校生の子供がいるが、育児を手伝うこともなく、毎晩遅く飲み歩いたことが響いてか、あまり懐かれていない。とはいえ、教育費は増え小遣いは減る一方。会社を早く出ても遊ぶことはできず、ファミレスで数時間過ごし、30分ほど歩いて時間を稼ぎながら帰るのだという。
「ノー残業デーだけはやめてほしい」。酔いも手伝ってか、C氏は取材中、何度もつらそうにつぶやいた。
■活気づく“残業難民ビジネス”
こうした“ノー残業デー難民”があくまで少数派なのか、かなりの割合を占めるのか推測する統計などは、まだない。だが、企業の中には、その数が相当数に上るとみて、専用のニュービジネスを始める動きが活発化している。
吉野家はアルコールやつまみ類などの居酒屋メニューを夜間に提供する「吉呑み(よしのみ)」サービスを全店に拡大する。スターバックスコーヒーは一部店舗でアルコールの提供を開始した。「ノー残業デー後の時間を過ごす人が有力ターゲットの一つ」と千葉商科大の常見専任講師は話す。
「大企業がノー残業デーを始めると聞いて需要がありそうだと気付いた」。自習室「勉強カフェ」を運営するブックマークス(東京都渋谷区)の山村宙史社長はこう話す。
勉強する必要はなく、読書をしたり、仕事の続きをしたりするなど様々な用途に活用可能。コンビニエンスストアで買ってきた総菜を食べることもできる。まさに居場所だ。当初は、外苑前や田町といった都市部に出店してきたが、今後は“ノー残業デー需要”を狙い東京西部の国分寺や、川崎の溝の口など郊外での出店を強化していくという。
* * *
日本で残業の削減が進まない背景には、「家に帰りたくない」という諸外国には見られないだろう理由がある──。この仮説が正しいとすれば、企業はどうすればいいのか。
まず、「出世には残業が必須」と考えている社員を減らすには、経営層がその事実を明確に否定し、かつ、残業時間と昇進が連動するメカニズムを検証、改善する必要がある。場合によっては、無駄な残業をしている社員の評価を大きく引き下げてもいい(残業と昇進を負の相関関係にする)。
「パソコンは原則、終業時間にシャットダウン」「会議は立って短時間で終了」。そんな大胆な生産性向上策で知られるキヤノン電子の酒巻久社長は「定時で帰れないのは能力が低い証拠」と断言する。
だが、ここまでしても、出世にも収入増にも関心がなく「帰ってもろくなことがない」との理由で残業をやめない社員を突き動かすのは難しい。理屈の上では、帰ったら楽しいことがあるように会社が支援する手があるが、現実的には難しい。よほど強硬なものならともかく、強制消灯も残業削減奨励策も、彼らの前では無力であることは既に指摘した。
「だったら、そんな社員はもう放っておけばいい。どうせ残業代は出さないのだから経営に大きなダメージはない」という考え方もある。
が、それはコンプライアンス(法令順守)上、問題が発生する可能性が高い。
「万一残業の未払い問題や過労死が発生した際、『社員が勝手に働いた』という反論は通用する可能性が低い。残業代を支払ったり、事件が報道され風評被害を受けたりするリスクは免れない」。労務問題に詳しい法律事務所アルシエンの竹花元・弁護士はこう警鐘を鳴らす。
やはり、企業は社員に自発的に帰宅してもらうしかない。そのための数少ない方法がこれだ。
(1)残業を申告制にする
(2)申告の手続きを、「家に帰る苦痛」より、大幅に物理的・心理的苦痛を伴うものとする
日本の産業界には、この“最終手段”で成果を上げた経営者がいる。元トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長で、元祖・残業削減のプロ、吉越浩一郎氏だ。1992年に同社社長に就任後、19期連続増収増益を達成した吉越氏。それを支えたのは徹底的な生産性向上で、その柱をなしたのが「残業ゼロ」だった。
就任当初は、定時になると自ら社内中を消灯して回り、社員を追い出していた。が、一部の社員は会社に戻って電気をつけ、仕事をしてしまう。らちが明かないと感じた吉越氏が導入したのが残業申告制だった。
「どうしても残業しなければならない場合は許可するが、その代わり、残業した社員には徹底した反省会とリポート提出をしてもらう」。これが仕組みの骨子。申告制自体は既に導入している企業も多いが、トリンプで特徴的だったのは反省会とリポートだ。
■リポートを延々と突き返す
反省会は、残業した翌日から同じ理由で残業が絶対に起きないよう何回でも開かせる。さらに「なぜ、残業をしなければならなかったのか」「どうしたら残業をせずに済むか」について、再発防止策を詳しく書いたリポートの提出も義務付けた。
リポートは1回書いて終わりではない。繰り返し添削して、内容的に大した問題がなくても何度も突き返した。何度も、何度も、だ。反省会とリポートで業務に支障が出ても、意に介さなかった。
社員の中には「理不尽な仕組みだ」「社長はおかしい」と怒り出す者もいたが、そうこうしているうちに少しずつ「こんな大変な思いをするなら、自分の仕事の進め方やプライベートの過ごし方を本気で見直し、残業のない生活をした方が楽だ」と考える社員が増えていったという。
「残業したらどんな苦難が待ち受けるか身をもって知った社員たちは、定時までに業務を終わらせようと、必死で仕事をするようになった。無駄口をたたく社員は減り、就業時間中のオフィスがすっかり静かになった」。吉越氏はこう振り返る。
昭和の時代から続く悪しき伝統「無駄な残業」を退治するためには、生半可な対策では不十分だ。
日本人は皆、家に帰りたくない──。そのぐらい大胆な前提に立って、本気で対策を練らないと残業は減ることなく、日本企業の生産性は永遠に上がらない。
2016年5月8日日曜日
読書の仕方
本を読むのに時間がかかる。頑張って読んでも内容を覚えていない──。そんな悩みを解消する、素早く読んで身につける4つの鉄則を紹介する。
■鉄則(1) 心構え:読書の質を高める「3原則」を意識する
「せっかく時間とお金を投資して本を読むのですから、内容を最大限吸収したいものです。そのためには読書の質を高める心構えが大切です」。こう指摘するのは、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)の著者で、読書講座を主宰する大岩俊之さんだ。
読書の質を高める方法は大きく3つ。(1)本を読む目的を明確にし、(2)本を読む時間を決め、(3)本の内容を誰かに説明するつもりで読む。以上の点を意識しながら読むだけでも、大切な内容が記憶に残り、しかも速く読めるという。
本を漫然と読み始めてはいけない。読み方によって読書の「成果」は大きく変わるのだ。
■読書の質を高める3原則
(1)本への「質問」を決める
本を読む目的を明確にすると、大切な記述を見過ごさず、記憶にも残りやすい。この本を読んで何を知りたいのか。本に対する「質問」を設定する。質問は右の例と同じくらい具体的なものがいい。
(2)読む時間を決める
「会社に着くまでの30分にここまで読む」といった具合に、読む時間をあらかじめ決めると、ダラダラ読みを回避できる。集中力が高まるため、速く読めて、内容が頭に入る。
(3)人に説明する前提で読む
本の要点や感想を誰かに説明することを前提に読むと、伝えるために内容をしっかりと咀嚼して理解しようとする。本を読んだら、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やブログに感想を書くことを習慣にするといい。
■鉄則(2) 情報の抽出:重要な「20%」を抽出する
「大抵の本は、『自分にとって重要な箇所』は、全体の20%しかありません。中でも本のエッセンスと言える部分はさらにその2割。本全体の4%に過ぎない。読書とは、突き詰めればそうした情報を『見つけて、抜き出す作業』なのです。すべて読んで理解する必要などありません」。大岩さんはそう言い切る。
大事な情報を素早く抽出するためには、読む順番が大切だ。本の狙いや主張が圧縮されている「はじめに」、本の構成を俯瞰できる「目次」、結論や読者へのメッセージをまとめた「おわりに」を順に読み、本の概要をつかんでから本編に入ると、スラスラ読める。
重要だと思った箇所は、本を汚すつもりで線やメモをどんどん書き込む。マーキングは時間と手間をかけないことが大切だ(下の写真)。「本を読む時間がない」という人でも、こうした情報抽出のテクニックを使えば、「素早く」「しっかり」読める。
■鉄則(3) 反復:「20%」の重要箇所を繰り返し読む
頑張って本を読み、重要箇所を洗い出しても、1度きりの読みっ放しにしていたら、大半の内容は記憶に残らない。本の内容を記憶に定着させるには、繰り返し読む必要がある。
左の図は、「エビングハウスの忘却曲線」という、時間の経過とともに記憶量がどう変化するかを表した有名なグラフだ。人間の記憶は、時間の経過とともに急速に失われていくことが分かる。それを食い止めるには、「復習」が重要だ。復習を重ねるごとに記憶が定着していき、忘却のペースは下がっていく。
よほどの本でない限り、全ページを何度も読むのは現実的ではない。再読するのは20%の重要箇所だけでいい。言い換えれば、最初に本を読む際に、「繰り返し読むに値する箇所」をマーキングするということになる。
■鉄則(4) 記録:「読書ノート」にエッセンスをまとめる
本の内容をよく理解できてきたら、最後に「読書ノート」を作成する。読書ノートには、本のエッセンス、つまり4%の最重要箇所に相当する内容を書き出す。
「本の要点を文章でまとめる過程で、頭の中が整理されて、理解が深まります。最初は面倒だと感じるかもしれませんが、何回かやればさっとまとめられるようになります」と大岩さんは話す。
■鉄則(1) 心構え:読書の質を高める「3原則」を意識する
「せっかく時間とお金を投資して本を読むのですから、内容を最大限吸収したいものです。そのためには読書の質を高める心構えが大切です」。こう指摘するのは、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)の著者で、読書講座を主宰する大岩俊之さんだ。
読書の質を高める方法は大きく3つ。(1)本を読む目的を明確にし、(2)本を読む時間を決め、(3)本の内容を誰かに説明するつもりで読む。以上の点を意識しながら読むだけでも、大切な内容が記憶に残り、しかも速く読めるという。
本を漫然と読み始めてはいけない。読み方によって読書の「成果」は大きく変わるのだ。
■読書の質を高める3原則
(1)本への「質問」を決める
本を読む目的を明確にすると、大切な記述を見過ごさず、記憶にも残りやすい。この本を読んで何を知りたいのか。本に対する「質問」を設定する。質問は右の例と同じくらい具体的なものがいい。
(2)読む時間を決める
「会社に着くまでの30分にここまで読む」といった具合に、読む時間をあらかじめ決めると、ダラダラ読みを回避できる。集中力が高まるため、速く読めて、内容が頭に入る。
(3)人に説明する前提で読む
本の要点や感想を誰かに説明することを前提に読むと、伝えるために内容をしっかりと咀嚼して理解しようとする。本を読んだら、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やブログに感想を書くことを習慣にするといい。
■鉄則(2) 情報の抽出:重要な「20%」を抽出する
「大抵の本は、『自分にとって重要な箇所』は、全体の20%しかありません。中でも本のエッセンスと言える部分はさらにその2割。本全体の4%に過ぎない。読書とは、突き詰めればそうした情報を『見つけて、抜き出す作業』なのです。すべて読んで理解する必要などありません」。大岩さんはそう言い切る。
大事な情報を素早く抽出するためには、読む順番が大切だ。本の狙いや主張が圧縮されている「はじめに」、本の構成を俯瞰できる「目次」、結論や読者へのメッセージをまとめた「おわりに」を順に読み、本の概要をつかんでから本編に入ると、スラスラ読める。
重要だと思った箇所は、本を汚すつもりで線やメモをどんどん書き込む。マーキングは時間と手間をかけないことが大切だ(下の写真)。「本を読む時間がない」という人でも、こうした情報抽出のテクニックを使えば、「素早く」「しっかり」読める。
■鉄則(3) 反復:「20%」の重要箇所を繰り返し読む
頑張って本を読み、重要箇所を洗い出しても、1度きりの読みっ放しにしていたら、大半の内容は記憶に残らない。本の内容を記憶に定着させるには、繰り返し読む必要がある。
左の図は、「エビングハウスの忘却曲線」という、時間の経過とともに記憶量がどう変化するかを表した有名なグラフだ。人間の記憶は、時間の経過とともに急速に失われていくことが分かる。それを食い止めるには、「復習」が重要だ。復習を重ねるごとに記憶が定着していき、忘却のペースは下がっていく。
よほどの本でない限り、全ページを何度も読むのは現実的ではない。再読するのは20%の重要箇所だけでいい。言い換えれば、最初に本を読む際に、「繰り返し読むに値する箇所」をマーキングするということになる。
■鉄則(4) 記録:「読書ノート」にエッセンスをまとめる
本の内容をよく理解できてきたら、最後に「読書ノート」を作成する。読書ノートには、本のエッセンス、つまり4%の最重要箇所に相当する内容を書き出す。
「本の要点を文章でまとめる過程で、頭の中が整理されて、理解が深まります。最初は面倒だと感じるかもしれませんが、何回かやればさっとまとめられるようになります」と大岩さんは話す。
2016年4月29日金曜日
仕事がうまくいく3つの統制〜気になった記事〜
リーダーシップを発揮するには「3つの統制」(基準による行動の統制、KPIによる結果の統制、価値観による意志の統制)を適切に活用することが肝要です。今回はこの「3つの統制」についてお伝えしたいと思います。
まず「基準による行動の統制」です。具体的で明確な基準(目標・工程・ハウツー・予算など)による指示・命令によって、メンバーにやってもらいたい行動内容を具体的に指示し、それに基づいて時間と行動を集中してもらうことで「最も優先順位の高い」組織共通の課題解決に向かって着実に進んでいくことができます。
しかしながら、人間は感情の動物であり、そこまで細かく指示されるのでは、モチベーションがあがらないと感じてしまうかもしれません。
それでも既にコンビニエンスストアやファミリーレストランのようなサービス業でマニュアルが定着し、パートタイマーやアルバイトでもマニュアル通りにやってもらえれば、一定の成果が出せることが常識になっています。
マニュアルがあることで初めての人でも自信をもって取り組める場合が多いでしょう。さらに「ユニクロ」では「お買い上げいただいた商品は必ずお客様に両手でお渡しすること」という行動統制を世界中で徹底しているそうです。
最初は「そこまでやる必要があるのか!」と海外スタッフを中心に違和感もあったそうですが、実際にやってみるとお客様の反応が予想以上に良くて社員の動機づけにもなっているそうですし、さすが日本流!と企業としても高い評価を獲得することにつながっているようです。
「基準による行動の統制」の内容が整備され、仕組みがしっかり機能していればメンバーは自分のやるべき仕事が明確にわかります。無駄な雑音に悩まされず、まさに優先順位(付加価値)の高い課題に時間と行動を集中できるようになります。
次に「KPIによる結果の統制」です。「仕組み」や「型」というものは「現状がベストかどうかを常に見直す」ためのものです。そこには「目的・目標の見直しのパート」と「人と組織の能力開発パート」があり、この双方の改善に自ら主体的に取り組むことで、会社全体を「常に理想の状態に向けてドライブしつづける」リーダー人材へと成長することができます。
KPI(Key Performance Indicator)の設定とは、Key performance=目的・目標に強い因果関係を持つ「結果」を基準に統制をかける手法です。正しい行動であれば正しい結果をもたらすという理屈ですから、行動と目標の間には明確に因果関係が成立していなければなりません。また、それが最も効果的な組み合わせかどうかを常に見直さなければなりません。例えば売上は「売上=顧客数×顧客単価」に分解できますし、さらに顧客数は「顧客数=新規顧客+リピーター」に分解できます。
行動と目標の因果関係が今の組み合わせでベストかどうかの検証と改善施策の実行をもっと早いサイクルで回せるように、KPIを修正する必要があると感じます。
しかしながら、外部環境の変動は避けられませんしKPIのベストミックスの状態の継続は現実的にはかなり困難ですが、結果の振れ幅の制御には相当有効だと思います。結果にほとんど関係のない指標を管理することは無駄ですし、そもそもそれはKPIとは呼べません。
従って、KPIの設定というのは相当戦略性の高い重要な「意志決定」になります。各自それぞれの目標達成に向けて、KPIが常にベストの組み合わせになっているか見直し、必要な修正を都度施さなければなりません。そしてそれぞれのKPIの地道な改善に必要な知恵出しと努力の継続の過程で我々は確実に成長することができると思います。
最後に「価値観による意志の統制」です。具体的には「共振の経営」によって社是や「NOLA & DOLA」(注)を実現するというわが社の価値観による統制です。
この「価値観による意志の統制」は社員のみならず、未来の仲間達へのメッセージとしても機能しており、実際に我が社への入社を希望する方の多くが『世の中の不快を快適に変え、生活者一人ひとりの夢の実現をサポートしたい』という企業目標に対して、異口同音に賛同をしてくれます。
これからも国内外で働く全員が、常により高い頂を目指す挑戦に奮い立ち、ユニ・チャームグループに所属すること自体に喜びや誇りを感じてくれるような、そして長期的な視野で社会に貢献し、それぞれの国の生活者が応援したくなるような会社であり続けることが私の責任だと思っています。
(注)ユニ・チャームのコーポレート・ビジョン。「Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities」の頭文字をとったもので、赤ちゃんからお年寄りまで、生活者がさまざまな負担から開放されるよう、心と体をやさしくサポートする商品・サービスを提供し、一人ひとりの夢を叶(かな)えたいという思いを込めたもの。
〜ここまで〜
見習うこと
・ Key performance=目的・目標に強い因果関係を持つ「結果」を基準に統制をかける手法。
「仕組み」や「型」というものの「現状がベストかどうかを常に見直す」ためのものです。行動と目標の間には明確に因果関係が成立いるものを設定。例えば売上は「売上=顧客数×顧客単価」、さらに顧客数は「顧客数=新規顧客+リピーター」に分解できる。
2016年4月17日日曜日
「負け癖社員」を6カ月で変える方法 〜気になった記事〜
花々が咲き誇り、夜は世界最大1300万球のイルミネーションが彩るハウステンボス。年間300万人が訪れる人気施設だ。だがこれまでの道のりは、順風ではなかった。1992年の開業以来、18年連続で赤字だった。
2010年、そのハウステンボスの再生人として白羽の矢が立ったのが、旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の創業者で現会長の澤田秀雄さん。「最初に見に行った時、園内は閑散としていて、再生できないと断りました。しかし地元の佐世保市長に3度頼まれ、引き受けることにしたんです」と振り返る。澤田さんがまず注力したのが、社員の「負け癖」を無くすこと。その結果、社長就任後たった6カ月で黒字に転じた。そんな澤田さんに、「負け癖社員」を変える方法について聞いた。
■「15分の掃除」「明るく振る舞う」「早足で歩く」が、再生の第一歩
──社長に就任した当時、社内の雰囲気はいかがでしたか。
社長に就任した4月1日、全社員を集めたのですが、元気がなかったですね。社内の雰囲気もとても暗かった。18年間ずっと赤字ということは、「ボーナスが出ない」「給料も上がらない」「優秀な人材も去っている」ということ。社長が9回も代わっていますし、「頑張っても黒字にならない」というあきらめが蔓延していた。明るくなれるわけがなく、負け癖がついている状態でした。
──どうメスを入れたのでしょう。
私が意識したのは、とにかく分かりやすく、すぐに実行できる「働き方の改革案」を提示し、現場の雰囲気を変えること。「ランチェスター戦略」とか「孫子の兵法」などと難しい話をしても、簡単には伝わりません。今すぐ誰でもできることで結果を出し、負け癖体質を少しずつ変えようと考えました。
具体的に求めたのは3つの働き方です。(1)出勤後15分の掃除、(2)嘘でもいいから明るく振る舞う、(3)早く歩く、この3つを実践すれば黒字になると訴えました。
──この3つだけで、黒字になるとはとても思えません。
最初は皆、狐につままれたような顔でしたよ(笑)。でも「だまされたと思ってやってみなさい」と。
この3つの働き方には、それぞれ意味があるんです。まず「15分の掃除」ですが、これは今まで何百という会社を見てきた経験則によるものです。成功している会社は、オフィスや工場がきれいです。逆に整理整頓ができていない会社は、低迷していく。環境の乱れが、社員の士気低下を招き、投げやりな雰囲気を作り出す温床なのでしょう。だから、毎朝15分だけ、私や役員も含め、全員で掃除をすることにしました。
「嘘でもいいから明るく」というのは、「内心はどう思っていようと、明るく振る舞えば、自然と前向きになれる」ということです。落ち込んでいても、何も解決しません。それにお客様に暗い顔を見せるのは、申し訳ないじゃないですか。社員が明るく元気になれば、それだけで活気づきます。
──最後の「早く歩く」というのは、何か効果があるのですか。
これは経費削減のことをかみ砕いて伝えているんです。会社の再生に経費削減は必須。しかしいきなり「削減して」と言われても、何をすればいいか分からない社員もいる。だから、「早く歩いてください」と伝えました。広大な面積を誇るハウステンボスは、端から端まで歩くと30分かかるのですが、早く歩いて25分で済めば、2割のムダが省ける。転じて、8時間の仕事を7時間で終らせれば、経費削減につながります。実際にこの3つの行動を実践し、たった6カ月で黒字化したんですよ。
■相次ぐ失敗も成長の芽として前向きに捉える
──社内は変わりましたか。
黒字化し、ボーナスも出たことで「やればできる」という気持ちが芽生えてきました。18年間できなかったことを実現したのですから、自信もつきますよね。
──その後も右肩上がりに業績を伸ばしています。
実は失敗も多いんですよ。その時、社員には「失敗から学ぶ」ことを求め、失敗を成長の芽とするよう言ってきました。失敗を放置すると、自暴自棄になり負け癖がついてしまいます。しかし、失敗と向き合い、原因を把握するようにすれば、必ず勝ちにつながります。
──具体的には、失敗からどう学んでいったのですか。
最初の失敗は、入場料を下げたことです。HISは格安販売が得意なので、その考え方を導入しました。しかし安くしても、お客様は来なかった。この失敗を放置したら負けにつながりますが、「なぜ安くしてもダメだったか」考えた。すると、「いくら安くても、目新しい面白さがない施設には来ない」ことが分かりました。
そこで次は、お客様を楽しませるイベントをやろうと考えた。それで、開催したのが陶器市です。ハウステンボスの近くには有田焼で有名な有田町があり、有田陶器市には1週間で100万人もの人が集まる。その5分の1でも流れてくれればと考えたのですが、集客につながらなかった。
失敗の原因をまた考えました。有田陶器市は100年以上の歴史があり、しかも無料。歴史もなく、入場料も必要な私たちに勝ち目はなかったのです。ただこの失敗で、「オンリーワンかナンバーワンのイベントが必要」なことを学べました。そこで「100万本のバラを使ったイベント」や「世界一のイルミネーションが見られるイベント」を開催し、成功したのです。
──失敗から学んで勝ちにつなげたんですね。
「失敗を放置しない」のは、私の信念です。私はこれまで数多く失敗してきました。例えば1999年にエイチ・エス証券を創業した際は、ネット取引システムのトラブルで営業停止処分を受けました。この時も、なぜ失敗したかを考えた。結論の1つは、金融に関する知識が乏しかったこと。そこで、赤字だったモンゴルのハーン銀行の経営を引き継いだ時には、金融のプロに頭取を任せ、自分は一歩引いた立場を取ったところ、再建できました。失敗から学んで次に生かす。こうすれば、負け癖がつくことはありません。
■「分かりやすい根拠」を示して、撤退、改善を決める
──負け癖を解消するために取り組んだことは、ほかにありますか。
「分かりやすい根拠」を示して、改善を促しています。「これを変えて」と上から指示しても、「根拠もなく言っている」と不満が募り、士気が下がって負け癖につながるんです。
具体的には、サービスやイベントについてお客様からアンケートを取り、それを点数化。その点数を基にサービスの改善や廃止を決めています。5点満点中、4.5点以上は「文句なしにいい」、3.5未満は「そのイベントを廃止する」と、明確な基準を設けています。
お客様の声を点数として可視化しているわけですから、イベントやサービスの改善・廃止が決まっても、誰も文句を言いません。推進力を持って変革できるのです。
──社員の負け癖は消えましたか。
社員たちは変わりました。「必ず黒字にする」と、前向きに励んでいますよ。現在のハウステンボスに点数をつけると、57点です。及第点は60点なので、まだ達成していません。改善できる可能性があるということです。
ただ忘れてはいけないのは、徐々に変えること。環境を変える時は、ゆっくり、ゆっくり変えていかなければなりません。急激に変えると、ついてこられない人が出てきます。 ハウステンボスはダイヤモンドです。最初は石ころだと思っていましたが(笑)。これからもっともっと面白くなりますよ。
〜ここまで〜
参考になること
働き方
(1)出勤後15分の掃除
(2)嘘でもいいから明るく振る舞う
(3)早く歩く → 業務改善が思い浮かばなくても誰でもできる業務の効率方法
・ 相次ぐ失敗も成長の芽
2010年、そのハウステンボスの再生人として白羽の矢が立ったのが、旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の創業者で現会長の澤田秀雄さん。「最初に見に行った時、園内は閑散としていて、再生できないと断りました。しかし地元の佐世保市長に3度頼まれ、引き受けることにしたんです」と振り返る。澤田さんがまず注力したのが、社員の「負け癖」を無くすこと。その結果、社長就任後たった6カ月で黒字に転じた。そんな澤田さんに、「負け癖社員」を変える方法について聞いた。
■「15分の掃除」「明るく振る舞う」「早足で歩く」が、再生の第一歩
──社長に就任した当時、社内の雰囲気はいかがでしたか。
社長に就任した4月1日、全社員を集めたのですが、元気がなかったですね。社内の雰囲気もとても暗かった。18年間ずっと赤字ということは、「ボーナスが出ない」「給料も上がらない」「優秀な人材も去っている」ということ。社長が9回も代わっていますし、「頑張っても黒字にならない」というあきらめが蔓延していた。明るくなれるわけがなく、負け癖がついている状態でした。
──どうメスを入れたのでしょう。
私が意識したのは、とにかく分かりやすく、すぐに実行できる「働き方の改革案」を提示し、現場の雰囲気を変えること。「ランチェスター戦略」とか「孫子の兵法」などと難しい話をしても、簡単には伝わりません。今すぐ誰でもできることで結果を出し、負け癖体質を少しずつ変えようと考えました。
具体的に求めたのは3つの働き方です。(1)出勤後15分の掃除、(2)嘘でもいいから明るく振る舞う、(3)早く歩く、この3つを実践すれば黒字になると訴えました。
──この3つだけで、黒字になるとはとても思えません。
最初は皆、狐につままれたような顔でしたよ(笑)。でも「だまされたと思ってやってみなさい」と。
この3つの働き方には、それぞれ意味があるんです。まず「15分の掃除」ですが、これは今まで何百という会社を見てきた経験則によるものです。成功している会社は、オフィスや工場がきれいです。逆に整理整頓ができていない会社は、低迷していく。環境の乱れが、社員の士気低下を招き、投げやりな雰囲気を作り出す温床なのでしょう。だから、毎朝15分だけ、私や役員も含め、全員で掃除をすることにしました。
「嘘でもいいから明るく」というのは、「内心はどう思っていようと、明るく振る舞えば、自然と前向きになれる」ということです。落ち込んでいても、何も解決しません。それにお客様に暗い顔を見せるのは、申し訳ないじゃないですか。社員が明るく元気になれば、それだけで活気づきます。
──最後の「早く歩く」というのは、何か効果があるのですか。
これは経費削減のことをかみ砕いて伝えているんです。会社の再生に経費削減は必須。しかしいきなり「削減して」と言われても、何をすればいいか分からない社員もいる。だから、「早く歩いてください」と伝えました。広大な面積を誇るハウステンボスは、端から端まで歩くと30分かかるのですが、早く歩いて25分で済めば、2割のムダが省ける。転じて、8時間の仕事を7時間で終らせれば、経費削減につながります。実際にこの3つの行動を実践し、たった6カ月で黒字化したんですよ。
■相次ぐ失敗も成長の芽として前向きに捉える
──社内は変わりましたか。
黒字化し、ボーナスも出たことで「やればできる」という気持ちが芽生えてきました。18年間できなかったことを実現したのですから、自信もつきますよね。
──その後も右肩上がりに業績を伸ばしています。
実は失敗も多いんですよ。その時、社員には「失敗から学ぶ」ことを求め、失敗を成長の芽とするよう言ってきました。失敗を放置すると、自暴自棄になり負け癖がついてしまいます。しかし、失敗と向き合い、原因を把握するようにすれば、必ず勝ちにつながります。
──具体的には、失敗からどう学んでいったのですか。
最初の失敗は、入場料を下げたことです。HISは格安販売が得意なので、その考え方を導入しました。しかし安くしても、お客様は来なかった。この失敗を放置したら負けにつながりますが、「なぜ安くしてもダメだったか」考えた。すると、「いくら安くても、目新しい面白さがない施設には来ない」ことが分かりました。
そこで次は、お客様を楽しませるイベントをやろうと考えた。それで、開催したのが陶器市です。ハウステンボスの近くには有田焼で有名な有田町があり、有田陶器市には1週間で100万人もの人が集まる。その5分の1でも流れてくれればと考えたのですが、集客につながらなかった。
失敗の原因をまた考えました。有田陶器市は100年以上の歴史があり、しかも無料。歴史もなく、入場料も必要な私たちに勝ち目はなかったのです。ただこの失敗で、「オンリーワンかナンバーワンのイベントが必要」なことを学べました。そこで「100万本のバラを使ったイベント」や「世界一のイルミネーションが見られるイベント」を開催し、成功したのです。
──失敗から学んで勝ちにつなげたんですね。
「失敗を放置しない」のは、私の信念です。私はこれまで数多く失敗してきました。例えば1999年にエイチ・エス証券を創業した際は、ネット取引システムのトラブルで営業停止処分を受けました。この時も、なぜ失敗したかを考えた。結論の1つは、金融に関する知識が乏しかったこと。そこで、赤字だったモンゴルのハーン銀行の経営を引き継いだ時には、金融のプロに頭取を任せ、自分は一歩引いた立場を取ったところ、再建できました。失敗から学んで次に生かす。こうすれば、負け癖がつくことはありません。
■「分かりやすい根拠」を示して、撤退、改善を決める
──負け癖を解消するために取り組んだことは、ほかにありますか。
「分かりやすい根拠」を示して、改善を促しています。「これを変えて」と上から指示しても、「根拠もなく言っている」と不満が募り、士気が下がって負け癖につながるんです。
具体的には、サービスやイベントについてお客様からアンケートを取り、それを点数化。その点数を基にサービスの改善や廃止を決めています。5点満点中、4.5点以上は「文句なしにいい」、3.5未満は「そのイベントを廃止する」と、明確な基準を設けています。
お客様の声を点数として可視化しているわけですから、イベントやサービスの改善・廃止が決まっても、誰も文句を言いません。推進力を持って変革できるのです。
──社員の負け癖は消えましたか。
社員たちは変わりました。「必ず黒字にする」と、前向きに励んでいますよ。現在のハウステンボスに点数をつけると、57点です。及第点は60点なので、まだ達成していません。改善できる可能性があるということです。
ただ忘れてはいけないのは、徐々に変えること。環境を変える時は、ゆっくり、ゆっくり変えていかなければなりません。急激に変えると、ついてこられない人が出てきます。 ハウステンボスはダイヤモンドです。最初は石ころだと思っていましたが(笑)。これからもっともっと面白くなりますよ。
〜ここまで〜
参考になること
働き方
(1)出勤後15分の掃除
(2)嘘でもいいから明るく振る舞う
(3)早く歩く → 業務改善が思い浮かばなくても誰でもできる業務の効率方法
・ 相次ぐ失敗も成長の芽
2016年4月2日土曜日
気になった記事
〜ここから〜
常務が言った、
「全力回り道」
暑苦しい言葉だなぁとしか思わなかった
けど、これはこれから社会に出ていく
新人にとって、とても大事なことかも
知れません。
近道をしてやろう。合理的にやろう
という考えに囚われることは、実は
遠回りになる確率が高いからです。
私自身も、学生時代の飛び込み営業、
新社会人ではテレアポをかけまくり、
アポイントをとりまくりました。
会社設立後も、会いたいという人とは
全て会い、会食依頼もほとんど断らず、
取材も全部受けていました。
それらは自分のやりたいことや、
今の仕事と関係あるかどうか分からない
一見廻り道に見えるものばかりでした。
ただ、一通り経験してみないとその判断が
出来ないので、全てに全力で
取り組んでいたのです。
結果、無駄なことをしたから
無駄なものと大事なものが分かるようになり、
無駄と思えるものの中から有益なもの
をたくさん見つけて今に至ります。
事業においても、スマホの黎明期のころ、
当社は総張り戦略と銘打って、
アプリもブラウザも、iphoneもandroidも、
ゲームもコミュニティも広告も全ての
事業に全力で取り組んでいました。
傍からみれば無駄に終わったかの
ように見えるものもありますが、
それらは全て我々の血肉になっています。
それに、最初から廻り道などせず、
ここをやっていれば正解と、
最短距離を見通せる人がいたでしょうか?
そう思って絞りこんで外れたら全てパーです。
新しいものは無駄なことをしない人
のほうがリスクが大きいと思います。
そんな訳で、2016年入社の皆さんに
贈る言葉は、
「全力廻り道」
(↑回を廻にちょっと変えて差別化してみました)
〜ここまで〜
近道をしてやろう。合理的にやろうという考えに囚われることは、実は遠回りになる確率が高い。通り経験してみないとその判断が出来ないので、全てに全力で取り組んでみると見えてくる。
→ 新たな気づき。その通りで新人に伝える!
常務が言った、
「全力回り道」
暑苦しい言葉だなぁとしか思わなかった
けど、これはこれから社会に出ていく
新人にとって、とても大事なことかも
知れません。
近道をしてやろう。合理的にやろう
という考えに囚われることは、実は
遠回りになる確率が高いからです。
私自身も、学生時代の飛び込み営業、
新社会人ではテレアポをかけまくり、
アポイントをとりまくりました。
会社設立後も、会いたいという人とは
全て会い、会食依頼もほとんど断らず、
取材も全部受けていました。
それらは自分のやりたいことや、
今の仕事と関係あるかどうか分からない
一見廻り道に見えるものばかりでした。
ただ、一通り経験してみないとその判断が
出来ないので、全てに全力で
取り組んでいたのです。
結果、無駄なことをしたから
無駄なものと大事なものが分かるようになり、
無駄と思えるものの中から有益なもの
をたくさん見つけて今に至ります。
事業においても、スマホの黎明期のころ、
当社は総張り戦略と銘打って、
アプリもブラウザも、iphoneもandroidも、
ゲームもコミュニティも広告も全ての
事業に全力で取り組んでいました。
傍からみれば無駄に終わったかの
ように見えるものもありますが、
それらは全て我々の血肉になっています。
それに、最初から廻り道などせず、
ここをやっていれば正解と、
最短距離を見通せる人がいたでしょうか?
そう思って絞りこんで外れたら全てパーです。
新しいものは無駄なことをしない人
のほうがリスクが大きいと思います。
そんな訳で、2016年入社の皆さんに
贈る言葉は、
「全力廻り道」
(↑回を廻にちょっと変えて差別化してみました)
〜ここまで〜
近道をしてやろう。合理的にやろうという考えに囚われることは、実は遠回りになる確率が高い。通り経験してみないとその判断が出来ないので、全てに全力で取り組んでみると見えてくる。
→ 新たな気づき。その通りで新人に伝える!
2016年3月30日水曜日
他人との会話がつまらない 〜気になった記事〜
〜ここから〜
何歳がピークかは人によるのでしょうが、思春期から20代前半くらいの年代はもっとも「他人に厳しい」時期です。接する他人のほとんどに対して、相手の欠点が先に目につき、「こいつも、ダメなのか」とガッカリしたり、腹を立てたりしやすいのが、この年代の典型的な気分です。
回答者は、やや精神の成長がオクテでありましたが、大学時代、さらに新入社員時代(よりももう少し後まで続きましたが)は他人の欠点ばかりが見え、また、自分の期待に応えてくれる他人がいないことにイライラしている「感じの悪い青年」でした。加えて、自分に自信がないことの裏返しで、自分よりも何かで劣る他人に対しては、まったく容赦なく(しかも案外上手に)軽蔑を表現する迷惑な若者でもありました。
この時期は、自分を満足させる他人を焦って求めるべきではありません。
せっかく意識が活性化しているのですから、哲学の本でも読んで理性の筋トレをしておくのがいいと思います。バカ(相談者から見て)を相手に話をする努力などやめて、本を読みましょう。
内容にありがたみを感じつつも、パッと読んだだけでは十分理解できない対象であれば、何を読むのでもいいと思いますが、あえて薦めるなら、カントがいいでしょうか。平たい言葉でもありがたみを感じることができるなら、プラトンでもいいかもしれません。もっとケレン味のある哲人でも構いませんが、難しいと思う本を読んでください(小説はたぶん時間の無駄です)。
さて、どんな哲学と対話したにせよ、その対象は人間の何か(認識とか、理性とか、本性とか)なので、いずれ「人間」というものに対して興味が湧いてくるはずです。
そのときに相談者は他人に興味が湧くでしょうし、他人の話を聞いてみたくもなるでしょう。断言しますが、この世の中で一番面白いものは「人間」であり、とりわけ「他人」です。
ただし、すべての他人が面白いとは限りませんし、他人の面白さを感じる側にも能力(理解力と感性)が必要です。当面は、後者を拡張しつつ、出会いを待つしかありません。保証はしませんが、自分が面白い人になる頃には、面白い他人が自然に周囲に現れるはずです。
〜ここまで〜
気付いたこと
・ 未だに他人との会話がつまらないと感じてしまう。。。
哲学本を読む!
人間とは何かを考える。
2016年3月13日日曜日
気になった記事 〜グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法〜
「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性だった。つまり成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっている。
たとえば一つのチーム内で誰か一人だけ喋りまくって、他のチームメイトがほとんど黙り込んでいるチームは失敗する。逆に(途中で遮られるかどうかは別にして)チームメイト全員がほぼ同じ時間だけ発言するチームは成功するという。
それは暗黙のルールとして、そのような決まりを押し付けるのではなく、むしろ、自然にそうなるような雰囲気が、チーム内で醸成されることが重要だ。
つまり「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵。
しかし、そのために具体的に何をすべきか、と考えると、そこにはなかなか難しい問題があった。
例:
調査票には、「社内におけるチームの役割や目的」、あるいは「自分たちの仕事が会社に与えるインパクト」などを、どこまで理解しているかを評価する項目が並んでいたが、これらの点について彼のチームメイトたちが下した自己評価は、いずれも極めて低かった。
これに衝撃を受けたリーダーはチームの全員を集めて、インフォーマルなミーティングを開いた。そこで彼は「これから君たちの知らないことを打ち明けよう」と断った上で、自身がスピードは遅いが転移性の癌に冒されていることを告白した。
しばらく沈黙が続いた後、チームメイトの一人が立ちあがって自分の健康状態を打ち明けた。そこから堰を切ったように、チームのメンバー一人ひとりが自らのプライベートな事柄を語り始め、それが終わるころには、自然に今回のアンケート結果についての議論(つまりチーム内のモラルを高めて、生産性を高めるための議論)へと移行していたという。
プロジェクト・アリストテレスの結果から浮かび上がってきた新たな問題は、個々の人間が仕事とプライベートの顔を使い分けることの是非であったという。
もちろん公私混同はよくないが、ここで言っているのは、そういう意味ではなく、同じ一人の人間が会社では「本来の自分」を押し殺して、「仕事用の別の人格」を作り出すことの是非である。
多くの人にとって、仕事は人生の時間の大半を占める。そこで仮面を被って生きねばならないとすれば、それはあまり幸せな人生とは言えないだろう。
社員一人ひとりが会社で本来の自分を曝け出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成することが、間接的にではあるが、チームの生産性を高めることにつながる。
気付いたこと
・ 仕事とプライベートの顔を使い分けない!
・ 何でも話せる雰囲気が「心理的安全性」につながる!
たとえば一つのチーム内で誰か一人だけ喋りまくって、他のチームメイトがほとんど黙り込んでいるチームは失敗する。逆に(途中で遮られるかどうかは別にして)チームメイト全員がほぼ同じ時間だけ発言するチームは成功するという。
それは暗黙のルールとして、そのような決まりを押し付けるのではなく、むしろ、自然にそうなるような雰囲気が、チーム内で醸成されることが重要だ。
つまり「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵。
しかし、そのために具体的に何をすべきか、と考えると、そこにはなかなか難しい問題があった。
例:
調査票には、「社内におけるチームの役割や目的」、あるいは「自分たちの仕事が会社に与えるインパクト」などを、どこまで理解しているかを評価する項目が並んでいたが、これらの点について彼のチームメイトたちが下した自己評価は、いずれも極めて低かった。
これに衝撃を受けたリーダーはチームの全員を集めて、インフォーマルなミーティングを開いた。そこで彼は「これから君たちの知らないことを打ち明けよう」と断った上で、自身がスピードは遅いが転移性の癌に冒されていることを告白した。
しばらく沈黙が続いた後、チームメイトの一人が立ちあがって自分の健康状態を打ち明けた。そこから堰を切ったように、チームのメンバー一人ひとりが自らのプライベートな事柄を語り始め、それが終わるころには、自然に今回のアンケート結果についての議論(つまりチーム内のモラルを高めて、生産性を高めるための議論)へと移行していたという。
プロジェクト・アリストテレスの結果から浮かび上がってきた新たな問題は、個々の人間が仕事とプライベートの顔を使い分けることの是非であったという。
もちろん公私混同はよくないが、ここで言っているのは、そういう意味ではなく、同じ一人の人間が会社では「本来の自分」を押し殺して、「仕事用の別の人格」を作り出すことの是非である。
多くの人にとって、仕事は人生の時間の大半を占める。そこで仮面を被って生きねばならないとすれば、それはあまり幸せな人生とは言えないだろう。
社員一人ひとりが会社で本来の自分を曝け出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成することが、間接的にではあるが、チームの生産性を高めることにつながる。
気付いたこと
・ 仕事とプライベートの顔を使い分けない!
・ 何でも話せる雰囲気が「心理的安全性」につながる!
2016年3月10日木曜日
気になった記事〜22歳なら、就職先にはどこを選ぶか〜
https://newspicks.com/news/1437404/body/?ref=index
★ 就職時のアドバイス
〜ここから〜
もっとも、会社あるいはもっと細かく職場というものは、実際に就職して働いてみなければわからない(気楽な「お客様」であるインターンではわからない)ものなので、「まずは就職してみて、後の身の振り方は、その都度考えたらいい。何があっても自分で自分の人生を切り開くのだ!」という気持ちで就職してみて下さい。
(A)今の回答者の年齢が22歳でこれから就職先を選ぶならどこを選ぶのか?
(B)22歳の頃の回答者が今就職先を選ぶならどこを選ぶのか?
今の回答者が現在の知識と価値観を持って、22歳でこれから就職先を選ぶのであれば、第1志望の会社はゴールドマン・サックスとするだろうと思います。
就職先の会社(あるいは職場)を選ぶに際して、回答者が重要だと思う条件は以下の5つです。
(1)興味が持てる仕事であること
(2)価値観に反しない仕事であること
(3)優秀な人が多い職場であること
(4)忙しい職場であること
(5)転職が容易な職場であること
興味が持てない仕事は、いかに社会的評価が高くても、そもそも続けることが難しいでしょうし、自分の仕事上の能力を伸ばすうえでも不向きです。また、自分の価値観に反する仕事に就くと、絶えず自分に疑念がわいてきますし、すると大事なときに頑張れません。(1)と(2)に反する職場は、最初から除外すべきです。
仕事と職場を評価するうえでは、成長性などの面で「いい会社か?」ということよりも、「自分にどのような人材価値が身に付くか?」という観点を重視することが肝要です。
有能でかつ親切な良い指導者がいて、仕事を教えてくれるような職場が理想的ですが、そこまで理想的で親切な職場はなかなかありません。
次善の条件として、優秀な人が多い職場で、忙しい職場であれば、同僚から刺激を受けるし、仕事の経験を多く積むことができるので、結果的に自分の能力と経験が拡大することを期待できます。自分の人材価値形成への配慮が(3)と(4)の意味です。
そして、長年さまざまな職場で働いてみて思うことですが、会社を辞めたOBがいい会社に転職できたり、独立するなどで活躍している会社は、仕事がよく身に付き、人材ネットワークのメンバーシップにも価値があり、概ね社会的な評価も高くて気分がいい会社です。(5)は、企業を調べる際に注目する価値のあるポイントです。
22歳の頃の回答者は、(1)官僚が嫌いで(高校時代にミルトン・フリードマンの本を読んで経済学部を目指したくらいなので)、(2)自己評価が低く(その分、他人に厳しいのだからいい性格ではありません)、(3)勝負事が好きな、やや気難しい若者でした(後に、気難しくはなく、明るくなりました)。
大学は3年間で卒業に必要な単位を取り終えることが十分可能なくらいゆるゆるの経済学部だったので、できるものなら1年早く卒業して、実際の経済に触れたいものだと思っていました。
当時、父親の商売が順調で「外国の大学で勉強したければ金は出してやるぞ」と言ってくれたのですが、実は付き合っている女の子(1歳下)がいて、彼女と一時的にであっても別れるのが嫌で、父に「三菱商事にでも入って、留学に行きたければ、社内留学制度を使って行くから、いいよ」と言って、申し出を断った記憶があります。
「女々しい」と言われてもしかたがない情けなさです。キャリア選択的には、あのときが大きな人生の岐路だったのかもしれません。
総合商社は、競馬で言うと一番人気馬の単勝を買うような感じで、彼は気が進まないはずです。自己評価が低いのでコンサルティング・ファームを目指すとも思えません(そのくせ、コンサルを目指す学生を軽蔑していそうです)。もちろん、電通やメディアを目指しそうなチャラ男君でもない。
さて、そのほかの選択肢として候補にあがりそうなのが、実はメガバンクです。メガバンクは、毎年大人数の学生を採用していますが、近年、投資銀行部門や国際部門、あるいは市場部門といった専門職を一般の総合職と別枠で採用するようになっています。
「22歳の山崎元」君は、しょせん学生なので、異様なまでに自行への忠誠心を求める銀行の文化や、銀行員の選手寿命の短さなどを知りません。
「このあたりから、現実の経済に接するのがいいか」などと考えて、消去法的にメガバンクに興味を持ちそうな、嫌な予感がします。メガバンクへの就職なら、世間体的にはまあまあですし、東大生ならありふれた就職で、自意識過剰な感じもしない。
「22歳の山崎元」君は、人物はつまらないとしても、面接は上手いし、何といっても東大生だし、成績もまあまあ以上なので、選り好みをしなければ、3行のうちの1行くらいからは内定をもらえそうな気がします。
〜ここまで〜
感じたこと
・ 自身の体験を包み隠さず話すと真実が見えてくる。
★ 就職時のアドバイス
〜ここから〜
もっとも、会社あるいはもっと細かく職場というものは、実際に就職して働いてみなければわからない(気楽な「お客様」であるインターンではわからない)ものなので、「まずは就職してみて、後の身の振り方は、その都度考えたらいい。何があっても自分で自分の人生を切り開くのだ!」という気持ちで就職してみて下さい。
(A)今の回答者の年齢が22歳でこれから就職先を選ぶならどこを選ぶのか?
(B)22歳の頃の回答者が今就職先を選ぶならどこを選ぶのか?
今の回答者が現在の知識と価値観を持って、22歳でこれから就職先を選ぶのであれば、第1志望の会社はゴールドマン・サックスとするだろうと思います。
就職先の会社(あるいは職場)を選ぶに際して、回答者が重要だと思う条件は以下の5つです。
(1)興味が持てる仕事であること
(2)価値観に反しない仕事であること
(3)優秀な人が多い職場であること
(4)忙しい職場であること
(5)転職が容易な職場であること
興味が持てない仕事は、いかに社会的評価が高くても、そもそも続けることが難しいでしょうし、自分の仕事上の能力を伸ばすうえでも不向きです。また、自分の価値観に反する仕事に就くと、絶えず自分に疑念がわいてきますし、すると大事なときに頑張れません。(1)と(2)に反する職場は、最初から除外すべきです。
仕事と職場を評価するうえでは、成長性などの面で「いい会社か?」ということよりも、「自分にどのような人材価値が身に付くか?」という観点を重視することが肝要です。
有能でかつ親切な良い指導者がいて、仕事を教えてくれるような職場が理想的ですが、そこまで理想的で親切な職場はなかなかありません。
次善の条件として、優秀な人が多い職場で、忙しい職場であれば、同僚から刺激を受けるし、仕事の経験を多く積むことができるので、結果的に自分の能力と経験が拡大することを期待できます。自分の人材価値形成への配慮が(3)と(4)の意味です。
そして、長年さまざまな職場で働いてみて思うことですが、会社を辞めたOBがいい会社に転職できたり、独立するなどで活躍している会社は、仕事がよく身に付き、人材ネットワークのメンバーシップにも価値があり、概ね社会的な評価も高くて気分がいい会社です。(5)は、企業を調べる際に注目する価値のあるポイントです。
22歳の頃の回答者は、(1)官僚が嫌いで(高校時代にミルトン・フリードマンの本を読んで経済学部を目指したくらいなので)、(2)自己評価が低く(その分、他人に厳しいのだからいい性格ではありません)、(3)勝負事が好きな、やや気難しい若者でした(後に、気難しくはなく、明るくなりました)。
大学は3年間で卒業に必要な単位を取り終えることが十分可能なくらいゆるゆるの経済学部だったので、できるものなら1年早く卒業して、実際の経済に触れたいものだと思っていました。
当時、父親の商売が順調で「外国の大学で勉強したければ金は出してやるぞ」と言ってくれたのですが、実は付き合っている女の子(1歳下)がいて、彼女と一時的にであっても別れるのが嫌で、父に「三菱商事にでも入って、留学に行きたければ、社内留学制度を使って行くから、いいよ」と言って、申し出を断った記憶があります。
「女々しい」と言われてもしかたがない情けなさです。キャリア選択的には、あのときが大きな人生の岐路だったのかもしれません。
総合商社は、競馬で言うと一番人気馬の単勝を買うような感じで、彼は気が進まないはずです。自己評価が低いのでコンサルティング・ファームを目指すとも思えません(そのくせ、コンサルを目指す学生を軽蔑していそうです)。もちろん、電通やメディアを目指しそうなチャラ男君でもない。
さて、そのほかの選択肢として候補にあがりそうなのが、実はメガバンクです。メガバンクは、毎年大人数の学生を採用していますが、近年、投資銀行部門や国際部門、あるいは市場部門といった専門職を一般の総合職と別枠で採用するようになっています。
「22歳の山崎元」君は、しょせん学生なので、異様なまでに自行への忠誠心を求める銀行の文化や、銀行員の選手寿命の短さなどを知りません。
「このあたりから、現実の経済に接するのがいいか」などと考えて、消去法的にメガバンクに興味を持ちそうな、嫌な予感がします。メガバンクへの就職なら、世間体的にはまあまあですし、東大生ならありふれた就職で、自意識過剰な感じもしない。
「22歳の山崎元」君は、人物はつまらないとしても、面接は上手いし、何といっても東大生だし、成績もまあまあ以上なので、選り好みをしなければ、3行のうちの1行くらいからは内定をもらえそうな気がします。
〜ここまで〜
感じたこと
・ 自身の体験を包み隠さず話すと真実が見えてくる。
2016年3月3日木曜日
気になった記事
〜ここから〜
麻雀で覚えた、大崩れしない方法
業績を俯瞰(ふかん)して見ても、結構バランスの取れた内容で、インターネット黎明期から激動の時代を生き残ってきた当社には今、「パックス・ロマーナ」とでも言うべき平和な雰囲気が流れています。ですが私には、こんな時こそ「ニュートラル」な感覚に戻す習性があります。薄気味悪く思われたくないのですが、「幽体離脱」したもう1人の自分が冷静に自分を客観視するのです。
何も、「オカルト」的な話をしようとしているのではありません。今で言うと、「調子に乗っているんじゃないか」「油断はないか」「好調に甘んじてサボってはいないか」といった言葉を、もう1人の自分が投げかけることによって、比較的、冷静な気持ちに落ち着くのです。
「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」という格言に似ているのですが、意識的にそうしているのではなく、自分の中では昔から無意識的というか、本能的に行われる作業です。きっかけは、長年続けている麻雀(マージャン)でした。
学生時代から麻雀を嗜(たしな)んでいますが、いつからか、プレー中に幽体離脱した自分が、熱くなっている自分に問いかけるような感覚を覚えることが多くなりました。麻雀をプレーしていると、勝ち続けたり、ツキが続いたりすることがあります。そういう時ほど、バランスを崩すものです。
例えば、勝ち続けると、人はその勝ちパターンに固執してしまうものです。守り抜いて勝ったら守ることを続け、攻めて勝ったら攻めることを続ける。結果、プレースタイルがワンパターンとなり、負けに転じてしまいます。これは、慢心や油断がもたらす結果と言えるでしょう。しかし、もう1人の自分が「トレーナー」のように監視をし、プレーヤーである自分を戒めることでバランスを維持すれば、負けに転じる確率は下がります。
逆に負けが続くこともあります。そういう時は、焦りが生まれ、我慢がきかない状態になるか、ビビって手が止まる状態に陥りがちです。結果、ますます負ける。そういう時も、幽体離脱した自分が「我慢がきいていない」「ビビりすぎている」と指摘することで、役に立ってくれます。自分がプレーしている時はできないのに、人のプレーには的確にアドバイスできる。そんな経験がある人も多いでしょう。そうならないよう、1人でプレーヤーとトレーナーの2役をやる。これが、私が麻雀で覚えた大崩れしない方法です。
この方法を、ビジネスマンとしても十二分に活用しています。かつて、東証マザーズに上場し、史上最年少の上場社長ともてはやされた時期がありました。しかし幽体離脱した自分が、「自分の実力はこんなものである」と覚めた目で見ることで、調子に乗ることなく、慢心することもなく、周囲の評判に伴った実力を付けるまで努力することができたと思っています。
〜ここまで〜
感じたこと
共感できる。しかし、実践できていない。
勝ち続けているときに
「調子に乗っているんじゃないか」「油断はないか」「好調に甘んじてサボってはいないか」といった言葉を、もう1人の自分が投げかけることによって、比較的、冷静な気持ちに落ち着くのです。
「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」という格言に似ている
実践すること
上手くいっていると感じた時
「調子に乗っているんじゃないか」「油断はないか」「好調に甘んじてサボってはいないか」といった言葉を、もう1人の自分が投げかける!
麻雀で覚えた、大崩れしない方法
業績を俯瞰(ふかん)して見ても、結構バランスの取れた内容で、インターネット黎明期から激動の時代を生き残ってきた当社には今、「パックス・ロマーナ」とでも言うべき平和な雰囲気が流れています。ですが私には、こんな時こそ「ニュートラル」な感覚に戻す習性があります。薄気味悪く思われたくないのですが、「幽体離脱」したもう1人の自分が冷静に自分を客観視するのです。
何も、「オカルト」的な話をしようとしているのではありません。今で言うと、「調子に乗っているんじゃないか」「油断はないか」「好調に甘んじてサボってはいないか」といった言葉を、もう1人の自分が投げかけることによって、比較的、冷静な気持ちに落ち着くのです。
「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」という格言に似ているのですが、意識的にそうしているのではなく、自分の中では昔から無意識的というか、本能的に行われる作業です。きっかけは、長年続けている麻雀(マージャン)でした。
学生時代から麻雀を嗜(たしな)んでいますが、いつからか、プレー中に幽体離脱した自分が、熱くなっている自分に問いかけるような感覚を覚えることが多くなりました。麻雀をプレーしていると、勝ち続けたり、ツキが続いたりすることがあります。そういう時ほど、バランスを崩すものです。
例えば、勝ち続けると、人はその勝ちパターンに固執してしまうものです。守り抜いて勝ったら守ることを続け、攻めて勝ったら攻めることを続ける。結果、プレースタイルがワンパターンとなり、負けに転じてしまいます。これは、慢心や油断がもたらす結果と言えるでしょう。しかし、もう1人の自分が「トレーナー」のように監視をし、プレーヤーである自分を戒めることでバランスを維持すれば、負けに転じる確率は下がります。
逆に負けが続くこともあります。そういう時は、焦りが生まれ、我慢がきかない状態になるか、ビビって手が止まる状態に陥りがちです。結果、ますます負ける。そういう時も、幽体離脱した自分が「我慢がきいていない」「ビビりすぎている」と指摘することで、役に立ってくれます。自分がプレーしている時はできないのに、人のプレーには的確にアドバイスできる。そんな経験がある人も多いでしょう。そうならないよう、1人でプレーヤーとトレーナーの2役をやる。これが、私が麻雀で覚えた大崩れしない方法です。
この方法を、ビジネスマンとしても十二分に活用しています。かつて、東証マザーズに上場し、史上最年少の上場社長ともてはやされた時期がありました。しかし幽体離脱した自分が、「自分の実力はこんなものである」と覚めた目で見ることで、調子に乗ることなく、慢心することもなく、周囲の評判に伴った実力を付けるまで努力することができたと思っています。
〜ここまで〜
感じたこと
共感できる。しかし、実践できていない。
勝ち続けているときに
「調子に乗っているんじゃないか」「油断はないか」「好調に甘んじてサボってはいないか」といった言葉を、もう1人の自分が投げかけることによって、比較的、冷静な気持ちに落ち着くのです。
「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」という格言に似ている
実践すること
上手くいっていると感じた時
「調子に乗っているんじゃないか」「油断はないか」「好調に甘んじてサボってはいないか」といった言葉を、もう1人の自分が投げかける!
2016年2月10日水曜日
プライドを持つ
〜ここから〜
プライドを持っている人や組織は、素晴らしい仕事をします。当社のプロダクトチームの中でも、「高いクオリティーを目指す!」と品質にプライドを持って働いている部署は、寝る間を惜しみ、妥協も一切せずに商品を磨き上げていく。そんなモードに入ったチームは、苦境に陥っても簡単には揺るぎません。やり切る力を持っています。
一方、「あいつはプライドが高くて、鼻持ちならない」というように、プライドという言葉を「悪い印象を表す時」に使うこともあります。これは佃製作所のプライドと何が違うのか。
そもそもプライドは、それを感じさせ、支える〝対象〟が存在しなければ成り立ちません。佃製作所であれば「品質」です。正しいプライドは、「仕事そのもの」や「一緒に働く仲間」などに対して抱くものでしょう。
ところが、「プライドが高くて使えない人」と言われる人は、プライドの対象が「自分」にあります。例えば、企画書を上司に一蹴された時に、「〝自分の〟プライドが傷つけられた」と感じる人です。そんな人は苦境に陥った時、プライドを傷つけられないように保身に走ったり、逃げたりします。
苦境に強いのは、「この仕事さえやり抜ければ、自分のことなんてどうでもいい」と考えられる人。こういう人は、〝仕事に〟プライドを持っています。
「プライドの基になっている対象は〝自分〟なのか、もしくは〝自分以外の何か〟なのか」。この2つの差は大きい。勘違いしないよう、自問自答してみてください。
仕事に対して「プライドを持っていない」、もしくは「持ちたくても持てない」人もいます。「給料がもらえればいい」という人は、仕事にプライドがなかったりします。本人は無理せずお金をもらえて幸せなのかもしれませんが、私の価値観では「不幸」としか言えません。そんな人は、ビジネスの魅力や面白さを知らずに働いていて、日々、〝お金以上のもの〟を得ていないことに気づいていないのかもしれません。
「プライドを持ちたくても持てない人」は、世の中や会社、同僚のために役立っていないと感じている人だと思います。極端な例では、仕事がなく、社内でほぼ働いていない状態の「社内ニート」がそう。そんな人は、自力でプライドを持つのは難しい。何とか別の部署に異動するか、転職するかで、環境をリセットするしかありません。
社員がプライドを持てるかどうかについては、リーダーのマネジメント能力が問われます。リーダーは佃製作所のように、「自分たちは何が強みで、どんな誇りを持って働くか」を、周囲にしっかり伝えなければいけないからです。
例えば、「やれって言われたから、やっています」と言う部下がいる部署は、リーダーのマネジメント能力は低いと言わざるを得ないでしょう。
部下にプライドを持たせる「マインドセット」は、新規事業を立ち上げる時や、事業の方向性を変える時などの〝初動〟が何より重要になります。最初にしっかりマインドセットができないと、途中で取り返すのが難しくなる。同様に、異動してきた人に対しても、「何を評価していて、どう働いてほしいか」を、具体的に伝える必要があります。
〜ここまで〜
実践すべきこと
まず相手の意見を聞き、
「何を評価していて、どう働いてほしいか」を、具体的に伝える
プライドを持っている人や組織は、素晴らしい仕事をします。当社のプロダクトチームの中でも、「高いクオリティーを目指す!」と品質にプライドを持って働いている部署は、寝る間を惜しみ、妥協も一切せずに商品を磨き上げていく。そんなモードに入ったチームは、苦境に陥っても簡単には揺るぎません。やり切る力を持っています。
一方、「あいつはプライドが高くて、鼻持ちならない」というように、プライドという言葉を「悪い印象を表す時」に使うこともあります。これは佃製作所のプライドと何が違うのか。
そもそもプライドは、それを感じさせ、支える〝対象〟が存在しなければ成り立ちません。佃製作所であれば「品質」です。正しいプライドは、「仕事そのもの」や「一緒に働く仲間」などに対して抱くものでしょう。
ところが、「プライドが高くて使えない人」と言われる人は、プライドの対象が「自分」にあります。例えば、企画書を上司に一蹴された時に、「〝自分の〟プライドが傷つけられた」と感じる人です。そんな人は苦境に陥った時、プライドを傷つけられないように保身に走ったり、逃げたりします。
苦境に強いのは、「この仕事さえやり抜ければ、自分のことなんてどうでもいい」と考えられる人。こういう人は、〝仕事に〟プライドを持っています。
「プライドの基になっている対象は〝自分〟なのか、もしくは〝自分以外の何か〟なのか」。この2つの差は大きい。勘違いしないよう、自問自答してみてください。
仕事に対して「プライドを持っていない」、もしくは「持ちたくても持てない」人もいます。「給料がもらえればいい」という人は、仕事にプライドがなかったりします。本人は無理せずお金をもらえて幸せなのかもしれませんが、私の価値観では「不幸」としか言えません。そんな人は、ビジネスの魅力や面白さを知らずに働いていて、日々、〝お金以上のもの〟を得ていないことに気づいていないのかもしれません。
「プライドを持ちたくても持てない人」は、世の中や会社、同僚のために役立っていないと感じている人だと思います。極端な例では、仕事がなく、社内でほぼ働いていない状態の「社内ニート」がそう。そんな人は、自力でプライドを持つのは難しい。何とか別の部署に異動するか、転職するかで、環境をリセットするしかありません。
社員がプライドを持てるかどうかについては、リーダーのマネジメント能力が問われます。リーダーは佃製作所のように、「自分たちは何が強みで、どんな誇りを持って働くか」を、周囲にしっかり伝えなければいけないからです。
例えば、「やれって言われたから、やっています」と言う部下がいる部署は、リーダーのマネジメント能力は低いと言わざるを得ないでしょう。
部下にプライドを持たせる「マインドセット」は、新規事業を立ち上げる時や、事業の方向性を変える時などの〝初動〟が何より重要になります。最初にしっかりマインドセットができないと、途中で取り返すのが難しくなる。同様に、異動してきた人に対しても、「何を評価していて、どう働いてほしいか」を、具体的に伝える必要があります。
〜ここまで〜
実践すべきこと
まず相手の意見を聞き、
「何を評価していて、どう働いてほしいか」を、具体的に伝える
2015年12月29日火曜日
気になった記事 〜リーダーシップ〜
http://taityo-diary.hatenablog.jp/entry/2015/11/03/193804
リーダーシップの誤解
● リーダーシップと権威を混合してしまう
● リーダーシップを個人の特質とみなす(才能ありきだと思っている)
リーダーシップは「問題に立ち向かい、大勢を動かす手段」と定義する。
重要なポイントは「問題の解決に向けて貢献をしたのか」ということだ。
リーダーシップを人物の特徴ではなく、実践でとらえる。
・ どのように問題があるか診断したか
・ どのように問題に対して対応したか
ということがリーダーシップの本質である。
テーマ:リーダーシップの実践の中で消耗せずに生き残れるか?
その高い志を失わず、活動し続けるためにどうすべきか?
新しい価値観への移行
リーダーシップとは人々が変革を乗り切れるようにサポートすること
人はそれぞれ異なる意見を持っており、言い争いや論争を通じ、時間をかけてゆっくりと新しいやり方を学んでゆく。
「すぐれたコンサルタントは、クライアントが嫌がっている問題に対して、徐々に向かい合えるように誘導してゆく」
変化への抵抗について
人が変化に抵抗するのはリスクを伴うか、何かを失いそうな時だ。失われるものについて、人々にありのままを見せる必要がある。本質的なものを残すために何かを失う事の価値を説明する。人間は理由さえ納得できれば失う苦しみも受け止めることができる。
一から見直しを行うようなことがあっても、変わるのは非常に小さな一部
ということである。
リーダーシップを行う人にとって大事なのは、変化に対して、先に警鐘を示すことが大事だ。変化を恐れ、抵抗する人にまず知らせることだ。
何も無いところから、革新は生まれない。革新的な何かは既存のものを組みなおして生まれるものである。
DNAでみても、突然変異が生き残る可能性は非常に低い。
つまり、革新は合理的ではない。この変革への原動力は「多様性を求めること」に他ならない。そして、その変革には変革者に対する信頼が必要である。
解決策が見向きも去れないときは?
逼迫した状況のときは、適応に対する解決策よりも、即決的な技術的な解決策が役に立つと思う。そんなときにどのようにアプローチすればよいのか?
・ 人間は鏡を見つめるだけでは学べない
多様性のある観点から見つめるべきだ。
リーダーシップの仕事は、多様性の中から、真なる価値を抽出することにある、
戦略
戦略を立てる上で外せないのは、誰に話を持って行き、誰と力を合わせ、誰と信頼関係を築けばいいのか特定することだ。そして、それらの人に近付き、話に耳を傾けてみることだ。
リーダーシップの実践と思考のスピード
リーダーシップが発揮されるのはゆっくりした変化の過程だ。失敗することはある。失敗したらそれを修正し、また挑戦する。積み重ねていくことで新しい未来を創り出す。リーダーシップは、日々、次はどんな手を打つべきか、次はどう話すべきかと考えることの中に宿っている。
バルコニーに立つ
現場である第一線から下がって、バルコニーに立つことが必要だ。バルコニーの上からなら、現場の視点でも見られるし、大きな視点でも見られる。変革しようとしている対象の隅々まで見渡すことができる。
変革のための行動を起こした後も、常に分析し診断しながら進まなければならない。人々が違う考え方を取り入れるのには時間がかかる。リーダーシップというのは、診断と行動の繰り返しだ。
パートナーを得る
単独で改革を成し遂げることはできない。パートナーが絶対に必要だ。一人より二人のほうがより強くなれる。家族やコミュニティからの圧力に耐え易くなる。
パートナーには「協力者」と「相談役」がいる。
協力者とは、基本的なものの考え方が自分と同じだけれども、違うグループを代表する人だ。協力者がいれば、人々が新しい考え方に注目してくれる可能性を高めることができる。
相談役とは利害関係がなく、何でも分かち合える相手だ。相談役はその案件ではなく、あなた自身に気をかけてくれる。絶望したときに元気付けてくれる。壁にぶつかりどうしようもないように思えるとき、リーダーシップを発揮することの価値を思い出させてくれる。そんな相手が必要だ。
リーダーシップの始まり
リーダーシップとは、愛する者のためになる事をしたいと思うことから始まる。何であれ、あなたの心を動かすことでなければ駄目だ。なぜなら、リーダーシップの発揮には厳しい道のりが待ち受けている。大変な仕事になる。情熱を持てないことなら無理だ。
リーダーシップの実践に必要なのは「人々に対して愛情を注ぐ」という行動を通し、小さな善を行えたという自分の成果を嬉しく思うことである。
リーダーシップの誤解
● リーダーシップと権威を混合してしまう
● リーダーシップを個人の特質とみなす(才能ありきだと思っている)
リーダーシップは「問題に立ち向かい、大勢を動かす手段」と定義する。
重要なポイントは「問題の解決に向けて貢献をしたのか」ということだ。
リーダーシップを人物の特徴ではなく、実践でとらえる。
・ どのように問題があるか診断したか
・ どのように問題に対して対応したか
ということがリーダーシップの本質である。
テーマ:リーダーシップの実践の中で消耗せずに生き残れるか?
その高い志を失わず、活動し続けるためにどうすべきか?
新しい価値観への移行
リーダーシップとは人々が変革を乗り切れるようにサポートすること
人はそれぞれ異なる意見を持っており、言い争いや論争を通じ、時間をかけてゆっくりと新しいやり方を学んでゆく。
「すぐれたコンサルタントは、クライアントが嫌がっている問題に対して、徐々に向かい合えるように誘導してゆく」
変化への抵抗について
人が変化に抵抗するのはリスクを伴うか、何かを失いそうな時だ。失われるものについて、人々にありのままを見せる必要がある。本質的なものを残すために何かを失う事の価値を説明する。人間は理由さえ納得できれば失う苦しみも受け止めることができる。
一から見直しを行うようなことがあっても、変わるのは非常に小さな一部
ということである。
リーダーシップを行う人にとって大事なのは、変化に対して、先に警鐘を示すことが大事だ。変化を恐れ、抵抗する人にまず知らせることだ。
何も無いところから、革新は生まれない。革新的な何かは既存のものを組みなおして生まれるものである。
DNAでみても、突然変異が生き残る可能性は非常に低い。
つまり、革新は合理的ではない。この変革への原動力は「多様性を求めること」に他ならない。そして、その変革には変革者に対する信頼が必要である。
解決策が見向きも去れないときは?
逼迫した状況のときは、適応に対する解決策よりも、即決的な技術的な解決策が役に立つと思う。そんなときにどのようにアプローチすればよいのか?
・ 人間は鏡を見つめるだけでは学べない
多様性のある観点から見つめるべきだ。
リーダーシップの仕事は、多様性の中から、真なる価値を抽出することにある、
戦略
戦略を立てる上で外せないのは、誰に話を持って行き、誰と力を合わせ、誰と信頼関係を築けばいいのか特定することだ。そして、それらの人に近付き、話に耳を傾けてみることだ。
リーダーシップの実践と思考のスピード
リーダーシップが発揮されるのはゆっくりした変化の過程だ。失敗することはある。失敗したらそれを修正し、また挑戦する。積み重ねていくことで新しい未来を創り出す。リーダーシップは、日々、次はどんな手を打つべきか、次はどう話すべきかと考えることの中に宿っている。
バルコニーに立つ
現場である第一線から下がって、バルコニーに立つことが必要だ。バルコニーの上からなら、現場の視点でも見られるし、大きな視点でも見られる。変革しようとしている対象の隅々まで見渡すことができる。
変革のための行動を起こした後も、常に分析し診断しながら進まなければならない。人々が違う考え方を取り入れるのには時間がかかる。リーダーシップというのは、診断と行動の繰り返しだ。
パートナーを得る
単独で改革を成し遂げることはできない。パートナーが絶対に必要だ。一人より二人のほうがより強くなれる。家族やコミュニティからの圧力に耐え易くなる。
パートナーには「協力者」と「相談役」がいる。
協力者とは、基本的なものの考え方が自分と同じだけれども、違うグループを代表する人だ。協力者がいれば、人々が新しい考え方に注目してくれる可能性を高めることができる。
相談役とは利害関係がなく、何でも分かち合える相手だ。相談役はその案件ではなく、あなた自身に気をかけてくれる。絶望したときに元気付けてくれる。壁にぶつかりどうしようもないように思えるとき、リーダーシップを発揮することの価値を思い出させてくれる。そんな相手が必要だ。
リーダーシップの始まり
リーダーシップとは、愛する者のためになる事をしたいと思うことから始まる。何であれ、あなたの心を動かすことでなければ駄目だ。なぜなら、リーダーシップの発揮には厳しい道のりが待ち受けている。大変な仕事になる。情熱を持てないことなら無理だ。
リーダーシップの実践に必要なのは「人々に対して愛情を注ぐ」という行動を通し、小さな善を行えたという自分の成果を嬉しく思うことである。
気になった記事 〜不合理〜
http://best-wishes.hatenablog.com/entry/2014/06/08/172239
● 今と将来での価値の違い(双曲割引)
物の価値は現在に近い方が高く感じ、将来の事の方が低く感じるという。
● ゲーム要素の代替報酬(ゲーミフィケーション)
代替報酬として、フォルクスワーゲンのCMでエスカレーターがあるために階段を使おうとしない人に階段を使わせるという物もあった。
階段の1段1段をピアノのようにして、音がなるようにしたのだ。
楽しんで階段を使う人が増えた。
● モチベーションを上げる
もしあまり好きで働いているわけじゃない人がいたら(というか大多数はそうだと思うのだけど)、その仕事内容というよりは、仕事仲間やお客さんにどういうふうに受け止められのかによって、やりがいが大幅に変わる。
報酬を増やせばモチベーションはあがるが、モチベーションに関わる物は報酬だけではない。人はお金だけで報われるのだろうか?お金以外も大事なのではないか。
昔は、自分の作業と出来上がる物が見えやすかったが、現代の仕事は分業されすぎて、自分のやっていることが何になっているのか見えづらい。何ができあがるのかがわからなければ、やりがいは大きく下がる
● 今と将来での価値の違い(双曲割引)
物の価値は現在に近い方が高く感じ、将来の事の方が低く感じるという。
● ゲーム要素の代替報酬(ゲーミフィケーション)
代替報酬として、フォルクスワーゲンのCMでエスカレーターがあるために階段を使おうとしない人に階段を使わせるという物もあった。
階段の1段1段をピアノのようにして、音がなるようにしたのだ。
楽しんで階段を使う人が増えた。
● モチベーションを上げる
もしあまり好きで働いているわけじゃない人がいたら(というか大多数はそうだと思うのだけど)、その仕事内容というよりは、仕事仲間やお客さんにどういうふうに受け止められのかによって、やりがいが大幅に変わる。
報酬を増やせばモチベーションはあがるが、モチベーションに関わる物は報酬だけではない。人はお金だけで報われるのだろうか?お金以外も大事なのではないか。
昔は、自分の作業と出来上がる物が見えやすかったが、現代の仕事は分業されすぎて、自分のやっていることが何になっているのか見えづらい。何ができあがるのかがわからなければ、やりがいは大きく下がる
2015年12月28日月曜日
本日の気になった記事 〜幸福論〜
http://best-wishes.hatenablog.com/entry/2014/01/04/182833
● お金の幸せな使い方
(1)経験を買う
(2)ご褒美化する
・ご褒美→感謝する
の流れを作り出すのがよい。
(3)他者への投資をする
● 幸せな人生
・ 仕事
・目先の利益を超えた理想
・高い目的意識
・社会とのつながり
仕事は結局社会とのつながりを作るなど、この4つの要素の中で、他の要素を多く含むために、かなり重要であると言える。
仕事は社会とのつながりを実現するための手段であるため『仕事をすることは幸せになることと言っても良い』と言える。
目の前の仕事ではなく、自分が何をやっているのかを考えるのが大事
仕事をする人の意識は3段階にある。
・ジョブ
・キャリア
・コーリング
ジョブ
報酬のために働く状態。
休憩時間や、タイムカードを押すのが楽しみな場合これ。
キャリア
成長のために働く状態。
よりよい仕事を求め、目先の仕事を踏み台にする。
コーリング
人の役に立っていて、自分の仕事に意味があると考えている状態。お金をもらわなくてもやりたいと思う。
ジョブクラフティング
ジョブクラフィティングという考えを使い、仕事の中身を修正していくのがヒント。
(1)社会的交流の質・量を修正
(2)仕事の意義を広げる
(3)仕事の内容に手を加えてみる
嫌々働いている場合には
(1)社会的交流の質・量を修正
美容院でのメインは髪を整えることですが、お客さんと話してみて楽しんだりする
(2)仕事の意義を広げる
自分と周囲の環境の状態を視野を広げてとらえること。シャトルバスの運転手は毎日同じルートを行き来するだけでつまらない仕事と考えられますが、楽しんでいる人にインタビューした所、「旅行業界の一部に属しているようで気に入っている。バスは安いので、お金を節約でき、その分多くの人が旅行できるんだ!」とのこと。
(3)仕事の内容に手を加えてみる
病院の清掃員が、患者を元気づけようと、絵を飾りました。清掃員の仕事では本来ないですが、仕事の範囲ややり方を少し変えてみることも重要。
お金や名声・地位に重きを置くと幸せになりづらいですが、
・人を助けよう
・クリエイティブになろう
・思いやりをもとう
・幸せになろう
という気持ちは成功の妨げにはなりません。
逆境・挫折から立ち直るコツ
それはずばり「困難を受け入れる」こと
辛いことは必ず起こります。
その際に
・自分はどうして挫折を感じているのか
ごまかしたりせず考えます。
不快感をポジティブにするには?
・不快を快感で打ち消そうとしても際限ないので無理
→不快な物を不快だと受け入れる方向でコントロールします。快適さ100%の状態に浸っていると、必ずくる不快な時に、よりダメージを受けやすくなります。だから、不快を不快だと受け入れましょう。
・今ある幸せを確認してみる
→そんなに不幸じゃないと思えるかも
・楽観的な方法で説明してみる訓練をする
→捉え方が変わり楽になります。
自分が幸せになる方法
「自分がした親切を数える。書き留める」
幸福学全体に通して言えるのは
・人間関係が幸福に大事
・嫌なことは起こるから受け入れる能力を高める
● お金の幸せな使い方
(1)経験を買う
(2)ご褒美化する
・ご褒美→感謝する
の流れを作り出すのがよい。
(3)他者への投資をする
● 幸せな人生
・ 仕事
・目先の利益を超えた理想
・高い目的意識
・社会とのつながり
仕事は結局社会とのつながりを作るなど、この4つの要素の中で、他の要素を多く含むために、かなり重要であると言える。
仕事は社会とのつながりを実現するための手段であるため『仕事をすることは幸せになることと言っても良い』と言える。
目の前の仕事ではなく、自分が何をやっているのかを考えるのが大事
仕事をする人の意識は3段階にある。
・ジョブ
・キャリア
・コーリング
ジョブ
報酬のために働く状態。
休憩時間や、タイムカードを押すのが楽しみな場合これ。
キャリア
成長のために働く状態。
よりよい仕事を求め、目先の仕事を踏み台にする。
コーリング
人の役に立っていて、自分の仕事に意味があると考えている状態。お金をもらわなくてもやりたいと思う。
ジョブクラフティング
ジョブクラフィティングという考えを使い、仕事の中身を修正していくのがヒント。
(1)社会的交流の質・量を修正
(2)仕事の意義を広げる
(3)仕事の内容に手を加えてみる
嫌々働いている場合には
(1)社会的交流の質・量を修正
美容院でのメインは髪を整えることですが、お客さんと話してみて楽しんだりする
(2)仕事の意義を広げる
自分と周囲の環境の状態を視野を広げてとらえること。シャトルバスの運転手は毎日同じルートを行き来するだけでつまらない仕事と考えられますが、楽しんでいる人にインタビューした所、「旅行業界の一部に属しているようで気に入っている。バスは安いので、お金を節約でき、その分多くの人が旅行できるんだ!」とのこと。
(3)仕事の内容に手を加えてみる
病院の清掃員が、患者を元気づけようと、絵を飾りました。清掃員の仕事では本来ないですが、仕事の範囲ややり方を少し変えてみることも重要。
お金や名声・地位に重きを置くと幸せになりづらいですが、
・人を助けよう
・クリエイティブになろう
・思いやりをもとう
・幸せになろう
という気持ちは成功の妨げにはなりません。
逆境・挫折から立ち直るコツ
それはずばり「困難を受け入れる」こと
辛いことは必ず起こります。
その際に
・自分はどうして挫折を感じているのか
ごまかしたりせず考えます。
不快感をポジティブにするには?
・不快を快感で打ち消そうとしても際限ないので無理
→不快な物を不快だと受け入れる方向でコントロールします。快適さ100%の状態に浸っていると、必ずくる不快な時に、よりダメージを受けやすくなります。だから、不快を不快だと受け入れましょう。
・今ある幸せを確認してみる
→そんなに不幸じゃないと思えるかも
・楽観的な方法で説明してみる訓練をする
→捉え方が変わり楽になります。
自分が幸せになる方法
「自分がした親切を数える。書き留める」
幸福学全体に通して言えるのは
・人間関係が幸福に大事
・嫌なことは起こるから受け入れる能力を高める
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