なぜ「ヒアリング」をしただけで、その人の実力がある程度わかるのか?
http://blog.tinect.jp/?p=38972
「個人のバイアスの強さの判定」
もっと単純にいえば、「思い込みの方向性と度合い」を見ている。
実際、現場で人から聞くことのできる話は、様々な思い込みのため「事実」が非常に見えにくい。人の言ったことをそのまま信じるわけには行かないのである。
「発言」と「事実」の差を、評価や生産性、課題の有無、部署の雰囲気などついて一つ一つ、ヒアリングで確認していく。
するとその人の「思い込みの度合い」「思い込みの方向性」は、浮き彫りになる。
そして、バイアスが強すぎる人は、一般的に仕事の成果があがっていない事が多い。(これももちろん、全員の成績と、人事評価を確認しながら行う)
それは、物事を客観的に見る力が弱いからだ。
解決策が「事実」に即して立てられているのではなく、「思い込み」に対して立てられてしまうと、その解決策は大抵機能しない。
以上のような理由から「ヒアリング」は、その人の実力を判定するのに、非常に有効な手段といえる。
例:
あるコンサルタントが「全社の平均に比べて残業が多い部署」の社員たちへ、「残業を減らすにはどうしたら良いか」について、ヒアリングを依頼された。
そんな時、コンサルタントは「残業を減らすにはどうしたら良いか」とストレートには聞かない。
できるだけ余計な価値観を入れたくないので、
「労働時間についての課題はありますか?もしあるなら、どのようにすれば解決可能ですか?」
と聞く。
そして、おそらくそのときには
「特に問題はないですよ」という方と、「メチャメチャ忙しいですよ」という方が分かれるだろう。
しかし、もちろんその言葉を、そのまま事実として扱うことはしない。
必ずその発言に対して「各人の実際の残業時間」を調べる。
その結果、「特に問題はないですよ」という方の残業が突出して多かったり、逆にあまり残業していないのに「忙しいですよ」という人がいたりするのである。
その「ちょっとした食い違い」こそが、バイアスである。
残業が80時間でも「問題はない」とする人と、残業が30時間でも「忙しい」とする人は、同じものを見ていても、全く捉え方が違うのだ。
そして、コンサルタントはそこに着目する。「彼らが事実をどのように解釈しているか」がよく分かるからだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿