2016年4月29日金曜日
仕事がうまくいく3つの統制〜気になった記事〜
リーダーシップを発揮するには「3つの統制」(基準による行動の統制、KPIによる結果の統制、価値観による意志の統制)を適切に活用することが肝要です。今回はこの「3つの統制」についてお伝えしたいと思います。
まず「基準による行動の統制」です。具体的で明確な基準(目標・工程・ハウツー・予算など)による指示・命令によって、メンバーにやってもらいたい行動内容を具体的に指示し、それに基づいて時間と行動を集中してもらうことで「最も優先順位の高い」組織共通の課題解決に向かって着実に進んでいくことができます。
しかしながら、人間は感情の動物であり、そこまで細かく指示されるのでは、モチベーションがあがらないと感じてしまうかもしれません。
それでも既にコンビニエンスストアやファミリーレストランのようなサービス業でマニュアルが定着し、パートタイマーやアルバイトでもマニュアル通りにやってもらえれば、一定の成果が出せることが常識になっています。
マニュアルがあることで初めての人でも自信をもって取り組める場合が多いでしょう。さらに「ユニクロ」では「お買い上げいただいた商品は必ずお客様に両手でお渡しすること」という行動統制を世界中で徹底しているそうです。
最初は「そこまでやる必要があるのか!」と海外スタッフを中心に違和感もあったそうですが、実際にやってみるとお客様の反応が予想以上に良くて社員の動機づけにもなっているそうですし、さすが日本流!と企業としても高い評価を獲得することにつながっているようです。
「基準による行動の統制」の内容が整備され、仕組みがしっかり機能していればメンバーは自分のやるべき仕事が明確にわかります。無駄な雑音に悩まされず、まさに優先順位(付加価値)の高い課題に時間と行動を集中できるようになります。
次に「KPIによる結果の統制」です。「仕組み」や「型」というものは「現状がベストかどうかを常に見直す」ためのものです。そこには「目的・目標の見直しのパート」と「人と組織の能力開発パート」があり、この双方の改善に自ら主体的に取り組むことで、会社全体を「常に理想の状態に向けてドライブしつづける」リーダー人材へと成長することができます。
KPI(Key Performance Indicator)の設定とは、Key performance=目的・目標に強い因果関係を持つ「結果」を基準に統制をかける手法です。正しい行動であれば正しい結果をもたらすという理屈ですから、行動と目標の間には明確に因果関係が成立していなければなりません。また、それが最も効果的な組み合わせかどうかを常に見直さなければなりません。例えば売上は「売上=顧客数×顧客単価」に分解できますし、さらに顧客数は「顧客数=新規顧客+リピーター」に分解できます。
行動と目標の因果関係が今の組み合わせでベストかどうかの検証と改善施策の実行をもっと早いサイクルで回せるように、KPIを修正する必要があると感じます。
しかしながら、外部環境の変動は避けられませんしKPIのベストミックスの状態の継続は現実的にはかなり困難ですが、結果の振れ幅の制御には相当有効だと思います。結果にほとんど関係のない指標を管理することは無駄ですし、そもそもそれはKPIとは呼べません。
従って、KPIの設定というのは相当戦略性の高い重要な「意志決定」になります。各自それぞれの目標達成に向けて、KPIが常にベストの組み合わせになっているか見直し、必要な修正を都度施さなければなりません。そしてそれぞれのKPIの地道な改善に必要な知恵出しと努力の継続の過程で我々は確実に成長することができると思います。
最後に「価値観による意志の統制」です。具体的には「共振の経営」によって社是や「NOLA & DOLA」(注)を実現するというわが社の価値観による統制です。
この「価値観による意志の統制」は社員のみならず、未来の仲間達へのメッセージとしても機能しており、実際に我が社への入社を希望する方の多くが『世の中の不快を快適に変え、生活者一人ひとりの夢の実現をサポートしたい』という企業目標に対して、異口同音に賛同をしてくれます。
これからも国内外で働く全員が、常により高い頂を目指す挑戦に奮い立ち、ユニ・チャームグループに所属すること自体に喜びや誇りを感じてくれるような、そして長期的な視野で社会に貢献し、それぞれの国の生活者が応援したくなるような会社であり続けることが私の責任だと思っています。
(注)ユニ・チャームのコーポレート・ビジョン。「Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities」の頭文字をとったもので、赤ちゃんからお年寄りまで、生活者がさまざまな負担から開放されるよう、心と体をやさしくサポートする商品・サービスを提供し、一人ひとりの夢を叶(かな)えたいという思いを込めたもの。
〜ここまで〜
見習うこと
・ Key performance=目的・目標に強い因果関係を持つ「結果」を基準に統制をかける手法。
「仕組み」や「型」というものの「現状がベストかどうかを常に見直す」ためのものです。行動と目標の間には明確に因果関係が成立いるものを設定。例えば売上は「売上=顧客数×顧客単価」、さらに顧客数は「顧客数=新規顧客+リピーター」に分解できる。
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