ノモンハン事件
敗因: 偵察不足、敵の過小評価
現地軍の独断行動。統括機関としては○だが有事に弱い
兵力の逐次投入
ミッドウェー作戦
敗因: 部下との価値観の共有不足
攻撃重視姿勢→索敵・情報不足、ダメージコントロールの不備
ガダルカナル作戦
敗因: 情報・兵站軽視。兵力の逐次投入
陸海空統合の失敗
戦略デザインの欠如
情報フィードバックの欠如
インパール作戦
敗因: 必要がない計画に対し、組織内融和を優先
失敗時の計画がない・ずさん
情報不足、過小評価
レイテ沖海戦
敗因: 情報伝達の不足
高度の平凡性の欠如→皆が理解出来るだけのシンプルさが必要
沖縄戦
敗因: 現地軍と司令部のコミュニケーション不足
司令部の現状把握不足
全般に共通する性格
・ あいまいな戦略
・ 戦略の不統一 → 価値観の統一
・ 大戦略の欠如
・ 空気による意思決定
・ 戦略論を輸入したが、それを日本独自のものにすることができなかった
・ 結果をフィードバックし、戦略の修正を行えなかった
原因:論理的な議論ができる制度と風土がなかった → 過去の成功を捨て、新しい状況に対応できない。過去の成功にこだわりすぎ、視野の狭小、想像力の欠如
・ 情報システムなどソフト面の軽視
組織面での欠陥
官僚組織という合理的な組織であるにも関わらず、情緒性を重視し下克上を認めるシステム → 組織目標ではなく対人関係を重視
学習能力の欠如
・ 成功、失敗要因を解析し次に生かせなかった
・ 情報共有システムの欠如
・ 教育機関においても与えられた目的をいかに既存の手段から選択するかに重点 → 目的を創造することは求められておらず、目的や目標そのものを再定義し変革するつことは出来なかった
評価システムの欠陥
・ 個人責任の不明確さ。声の大きいものは評価され、失敗時も一時的な左遷のみ。自重論を唱えたものは処罰が厳しい。この評価が論理よりも声の大きなものの突出を許容する
・ プロセス重視で、作戦結果の客観的評価をせず、事実・経験の蓄積が制限される
・ 賞を重視し、罰を怠る傾向
→・ 下克上を生み出す
・ 上層部の責任を追求できず、現場に責任をおわす。責任や義務が拡充し自律性を失わせる。
年功序列型の組織
人的つながりができやすく、過去の成功例を蓄積しやすいため環境の変化に弱い
組織学習
組織は既存の知識を疑い、新たな知識を獲得する側面を持つ。つまり、自己否定できるかどうかである
組織文化
リーダーの言動による影響力が大きい。組織の価値が具現化されるには、仕組みやシステムによる支援が必要
米国組織の特徴
・ 組織を活性化するためには各自に精一杯仕事させ、有能なものに出来るだけの仕事をさす。
・ 有能者の能力をフルに生かす。同じポストに置いて知的エネルギーを枯渇させない→人事は少将までしか昇進させず以後は作戦によって中・大将を任命し、作戦終了後元に戻す。
→ 評価システムの充実
大佐が少将に昇進する際、11人で投票を行うことにより決定(3/4の賛成が必要)。感情の入り込むことを防ぐ
・ 環境に対応しうる組織 → 「分化」と「統合」という相反する関係を同時にできるもの → 米国の「統合」は、陸海軍が相反する際は大統領が統合者となる
→ 日本にはこの統合組織が機能していなかった
日本は環境変化に適応できなかった → 自己革新の失敗
自己革新の原則
・ 適応力のある組織は環境を利用して組織内に変異、緊張、危機感を発生させている → 言い換えると絶えず不均衡状態にしておく。均衡状態は組織の死を意味する
不均衡状態に保つには → 異質な情報・知識・危機感を続ける努力が必要。若手の抜擢などによる均衡破壊。平時から有事になる時こそ抜擢人事が必要
・ 組織の自律性を確保するため、組織の単位を柔構造にしておく
・ 外部からの脅威によって、過去の組織行動様式を自己革新する
・ 評価システム欠陥による自律性の欠如 → 責任や義務が拡充 → 絶えず自己超越を強いた組織 → 理性を越え、精神主義に陥る。常に余裕がなく、重大局面で積極的行動ができない。
・ イノベーション → 異質な人・情報・偶然を取り込むことから始まる → 異端者を嫌う日本では生まれにくい
・ 権力者のみイノベーションを起こすことが可能
・ ボトムアップによるイノベーションは身をかけて行うことが必要
・ 偶然を取り込むことシステムが無かった
→コンティンジェンシープランの欠如
失敗の反省もできない
偶然に対応する発想がない
・ 進化するつまり自己革新するために、組織は学習しなければならない
・ 自立組織は協働するためには統合的な価値あるいはビジョンを持たなければならない
日本軍の失敗の本質
・ エリートの柔軟な思考を確保できる人事教育システム
・ 優れた者が思い切ったことのできる分権的システム
・ 強力な統合システム
に欠けていた。よって、環境が変化した時、組織変革するための自己否定的な学習が出来なかった。成長期には組織的欠陥はカバーされるが衰退期には一挙に噴出してくる。
官僚組織と集団組織(情緒的人的統合)が入り混じったもの
→ 現場の自由裁量と微調整主義出来る長所を階層構造を利用して圧殺してしまった
→ 上層部からの押し付けによる特定の戦略原型にのみ特化し、自己否定できず自己革新能力を失ってしまった
日本企業
帰納的であり、1つのアイデアの洗練には適しているが、大きなブレイクスルーは生まれない
日本組織の利点
・ 下位組織の自律的な環境適応は可能
・ あいまいな情報がうまく伝わる
・ 組織の末端の学習を活性化させる
欠点
・ 統合のための負荷が大きい
・ 意思決定に時間を要する
・ 異端の排除が起きる
→自己革新能力を創造できるかが問題
今後実践すること
・ 部下との価値観の共有→積極的コニュニケーション
・ 不均衡状態に保つ。異質な情報・知識・危機感を続ける努力が必要
・ 新規・既存事業の成功、失敗要因を解析
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